8月から介護保険の自己負担3割に 所得の高い高齢者が対象

2018年0806 福祉新聞編集部
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利用者と話す青柳主任ケアマネジャー(左)

 1日から、介護保険の利用者負担が2割の高齢者のうち、特に所得の高い高齢者は3割に引き上げられた。対象は年収が単身の場合340万円(年金収入のみ344万円)以上、夫婦世帯の場合463万円以上で、厚生労働省は負担増となるのは利用者全体の3%弱に当たる約12万人と推計している。

 

 社会福祉法人大三島育徳会(東京都世田谷区)では在宅サービス利用者108人のうち、少なくとも5人は3割負担になるという。その1人で訪問介護を利用している87歳の女性(要介護1)は「3割負担になって驚いた」と言う。

 

 女性の収入は年金のみで、毎月の生活費は16万円程度。同居する97歳の姉(要介護3)の世話もしており「ぎりぎりの生活で大変」と話す。そこで女性は生活費と自宅の修繕費に充てようと生命保険を解約してまとまった収入を得た。しかしそれが所得として認定され、3割負担になってしまった。女性は「生活の安定のため解約したのに」とこぼす。

 

 青柳浩司・主任ケアマネジャーは3割負担になって介護サービスの利用控えが起こることを懸念。「介護サービスを受けるのをやめると命にかかわることもある」と話す。

 

 一方、社会福祉法人フレスコ会(東京都台東区)の特別養護老人ホームフレスコ浅草(入所84人、短期入所11人)では7人以上の利用者が3割負担になるという。佐藤信太朗施設長は「3割負担の請求が利用者に届く9月になって混乱するかもしれない」と指摘し、「現場だけでなく行政もしっかり説明してほしい」と話す。

 

 利用者負担は介護保険制度の開始当初から原則1割で、15年8月に一定以上の所得がある高齢者は2割となった。3割負担の導入は17年5月に成立した改正介護保険法で決まった。高齢化の進行で膨らむ社会保障費を抑制する狙いがある。

 

 

 

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