「公的責任の後退」生活保護法改正案に福祉専門職団体が反対声明

2013年1111 福祉新聞編集部
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 参議院で5日に審議入りした生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案に対する懸念の声が高まっている。福祉専門職団体などが、申請者を窓口で追い返す水際作戦につながると指摘。「公的責任の後退だ」として餓死や孤立死の増加を危惧している。

 

 2法案は5日の参院厚生労働委員会で趣旨説明が行われ、審議入りした。当初、6月の通常国会で成立予定だったが、参院選挙前の与野党の駆け引きの中で審議未了により廃案になっていた。

 

 保護法改正案は、申請の際、資産や収入などを記した書類の提出を義務付けた。また、必要に応じて親族へ連絡することも定めた。こうした事項はこれまで省令で定められており、厚労省は「運用は変わらない」などと説明している。

 

 一方、困窮者法案は、困窮者を対象にした総合相談窓口を自治体につくることを義務付ける。相談事業は民間に委託することも可能だ。

 

 これに対し、福祉専門職団体からは疑問の声が上がっている。日本精神保健福祉士協会、日本医療社会福祉協会、日本社会福祉士養成校協会、日本精神保健福祉士養成校協会の4団体は10月29日、保護法改正案に反対する声明を出した。

 

 声明は、申請書類の提出義務化について、「保護を必要とする人を窓口段階で排除することになる」と指摘。自治体の恣意的な運用を助長するとの認識を示した。

 

 また、親族への連絡は、扶養義務の強化であり、公的責任の後退だと主張。単独世帯や非正規雇用が増えている現状に合っていないとし、家族崩壊や餓死などにつながると危惧した。

 

 声明を出した狙いについて大塚淳子・日本精神保健福祉士協会常務理事は「支援が必要な人たちの命を直撃する法改正だ。保護を申請する窓口にソーシャルワーカーが少ない現状では受給抑制につながるのは明らか」と語った。

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