「“共”の再構築は必然」 ソーシャルワーカーが担い手に

2018年1102 福祉新聞編集部
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ソーシャルワーカーについて語る井手教授(右端)

 日本ソーシャルワーク教育学校連盟(ソ教連、白澤政和会長)は10月6・7両日、都内で全国社会福祉教育セミナーを開き、約250人が参加した。井手英策・慶應義塾大教授(財政社会学)は初日の基調講演で、「現在は誰もが将来不安を抱える危機の時代であり、歴史的に見ても『共(とも)』が再構築されるのは必然だ」とし、ソーシャルワーカー(SW)が再構築の担い手になると語った。

 

 井手教授が委員を務めた総務省の「自治体戦略2040構想研究会」(総務大臣主催、清家篤座長)は今年7月、将来の地方自治について、「住民の生活上のニーズに民間の力も活用して対応するには、SWが組織的に仲介する機能が必要だ」とする報告をまとめた。

 

 この論点は政府の地方制度調査会に引き継がれ、注目されている。今回のセミナーで井手教授は、社会福祉士、精神保健福祉士を養成する教員に対し、同報告の背景となる考え方を解説した。

 

 特に、相互扶助は少数の弱者を救う正義感からではなく、それなしには大多数が生き延びられない危機感から生まれることを、平安末期の自治組織「惣村」の例などから説明。時代の転換期だからこそ社会変革者としてのSWが求められるとした。

 

 これに対し、同日のシンポジウムで中島康晴・日本社会福祉士会副会長は「社会福祉士養成において社会変革が捨象されている」と問題提起。社会資源の発掘・開発・創出を社会福祉士、精神保健福祉士の定義に加えることが不可欠だとした。

 

 また、湯川智美・社会福祉法人六親会常務理事(千葉県)は、法改正により社会福祉法人の責務となった「公益的な取り組み」や政府が提唱する地域共生社会の概要とその実践事例を紹介した。

 

 井手教授は地域共生社会を築く取り組みの裏付けとなる財源の議論から逃げてはいけないとし、全国市長会が今年5月に提唱した「協働地域社会税」を紹介。SWを養成・確保する財源もこれに含まれると解説した。

 

 

 

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