介護職員の3分の1がEPA外国人 視察あいつぐ特養(茨城)

2018年1226 福祉新聞編集部
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入所者と談笑するアレックスさん(左)

 茨城県石岡市にある社会福祉法人泰仁会(江畑隆夫理事長)の特別養護老人ホームやさと(定員50人)では、介護職員の3分の1をEPA(経済連携協定)候補者(介護福祉士取得者含む)が占める。法人全体では、これまで候補者7人が介護福祉士国家試験を受け、6人が合格。介護現場で外国人材が増える中、日本人と共に働くノウハウを学ぼうと、視察が相次いでいる。

 

 泰仁会では2008年度から10年間で、インドネシアとフィリピンからEPA候補者を計25人受け入れた。

 

 受け入れにあたり、研修担当者と計画を決めたり、宗教や生活習慣の相違に配慮したり、必要な対策を取ってきたが、一番の壁は日本語の習得だ。

 

 職員の教育では限界があり、日本語学校と連携した。専門的な教育方法を取り入れることで学習体制を確立させた。

 

 現在、週3時間以上の学習(3年目は6時間)、3年間で8回の合宿研修(計40日)を行うほか、業務で毎月ヒヤリハットを報告してもらい、日本語学習と「気づき」を学ぶ。加えて、EPAの受け入れ窓口の国際厚生事業団の集合研修や模擬試験なども受けている。

 

 県からは1人23万5000円の日本語学習補助がある。候補者が多いのでスケールメリットを生かし教育でき、生活面も含めて先輩から後輩に指導できる利点もある。

 

 泰仁会(系列の医療法人江隆会含む)には現在、介護福祉士取得者を含め22人おり、うち特養やさとで10人が働く。給与は高卒と同じ約16万5000円。入職1年後から夜勤もある。今年1月の国家試験に合格したフィリピン人のアレックスさんは「今度は看護師を目指したい。ずっと日本にいたい」と話す。

 

 EPA候補者は看護学校卒などが要件のため優秀な人材が多く、当初から介護福祉士合格を目指すなど意識が高い。それでも菊地丈夫常務理事は「受け入れが必ずうまくいく方法はない。各施設に合った工夫が必要」と言う。第1期生の2人とは退職した今も連絡を取り合う仲で、良好な人間関係を築くことも重要だという。

 

 今後の課題は、指導方法の共有化と定着支援。特に、国家試験合格者6人のうち3人が帰国したことから髙城裕施設長は「合格後のキャリアアップの道をつくったり、他の目標を持てるようにしたりしていきたい」と述べる。

 

 特養やさとは20年に30人増床するため、19年度に8人を受け入れる予定で、初めて現地の採用面接会にも参加したが、希望人数を満たせなかった。受け入れ希望施設が増えたためで、髙城施設長は「1国1年300人の受け入れ上限の撤廃を検討してほしい」と話す。

 

 

 

 

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