「わずか数秒」AIが保育所の入所選考 自治体に導入広がる

2019年0129 福祉新聞編集部
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 保育所の入所選考を区市町村職員に代わり、人工知能(AI)に任せる動きが全国で出始めている。自治体によっては職員による手作業で延べ1000時間以上費やしている選考作業が、わずか数秒で完了。保護者への迅速な結果通知や職員の負担軽減につながり、さらなる住民サービスの向上も期待されている。

 

 保護者の就労状況や親族の介護の有無、兄弟姉妹の状況、希望する保育所など--そんな多岐にわたる申請内容を考慮した上で、公平性を保ちながら、限られた入所枠に割り当てるという複雑な手続きの入所選考。 

 

 加えて、待機児童など保育を取り巻く問題も拍車を掛け、選考業務は年々、煩雑さが増している。

 

 こういった課題を解決しようと、富士通(東京)がAIを活用した保育所入所選考ソフトを開発。利害が一致しない人々の関係を合理的に解決する数理手法「ゲーム理論」を応用した。

 

 保護者のさまざまな希望や各自治体が定める選考基準を基に、AIが可能な限り優先順位に沿った最適な割り振りを数秒で導き出す。さらに、選考結果を説明できる支援機能も搭載している。

 

 2017年に、富士通が埼玉県さいたま市と共同でこのソフトを活用した実証実験を初めて行った。

 

 同市では例年、児童約8000人の申請があり、職員20~30人がかりで選考し、延べ約1000時間以上かけて311施設へ振り分けており、膨大な労力と時間を費やしている。

 

 実証実験では、同市における過去の約8000人分の匿名化データを用いて検証したところ、わずか数秒で最適な選考結果を算出することに成功。手作業による選考とほぼ一致した結果をはじき出した。

 

 この検証を受け、全国の自治体で、AIによる保育所選考の実証実験が広がりをみせている。

 

 富士通によると、滋賀県大津市など全国の30自治体が実証実験を展開している。導入に向けては、18年度中に滋賀県草津市、19年度中に東京都港区が予定している。
    

 

 

 

 

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