障害児施設の在り方を検討 18歳過ぎた入所者どうする

2019年0213 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は6日、「障害児入所施設の在り方に関する検討会」(座長=柏女霊峰・淑徳大教授)の初会合を開いた。「福祉型」施設のうち、知的障害児の入所施設には虐待を受けた子どもが多く、18歳を過ぎても自宅や成人施設に移れない「加齢児」の存在がかねて問題となっている。 

 

 児童養護施設など社会的養護施設では障害児が増えている。生活単位の小規模化が進み、職員の配置基準が手厚くなりつつあることを踏まえ、障害児施設をどうするか検討する。12月に報告書をまとめる。

 

 厚労省の調べでは、今年1月17日時点で知的障害児施設は全国に235カ所あり、定員は7621人。それに対して5910人が入所し、そのうち加齢児が1297人(22%)を占める。

 

 

 本来、18歳以上は自宅に戻ったり、成人のグループホームや入所施設に移ったりするのが基本だ。しかし、虐待などを理由に行政の措置により入所する子が全入所児の約7割。加齢児の移行先探しには行政の関与が不可欠だが、関与の度合いには地域差がある。

 

 また、都市部では用地と人材の確保が難しいため成人施設の受け皿が不足し、移りにくい面もある。

 

 そこで、厚労省は加齢児も引き続き同じ施設に居られるよう特例を設けたが、その期限は2021年3月末までとした。

 

 一方の「医療型」のうち、重症心身障害児施設は成人施設としての事業所指定も受けた「児・者一貫」の体制をとっているが、定員割れが大きい。特に18歳未満が減り、18歳以上が増えて高齢化している。

 

 検討会は障害保健福祉部長によるもの。今後、5月まで月1回のペースで、社会的養護の施設団体や障害当事者団体にヒアリングを行い、6~10月は委員が「福祉型」と「医療型」に分かれて議論する。

 

 障害児支援をめぐって厚労省は14年7月に検討会報告をまとめ、入所施設の機能を「発達支援」、退所に向けた「自立支援」、被虐待児を専門的にケアする「社会的養護」、在宅の障害児や家族を支える「地域支援」の四つに整理した。

 

 厚労省は「その後、残念ながら具体的な取り組みが十分進展してはいない。私たちとしても忸怩たる思いだ」(橋本泰宏・障害保健福祉部長)とし、てこ入れする意向だ。

 

 

 

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