巣立ちの春、施設から社会へ 資生堂財団がマナー学ぶフェスティバル

2019年0401 福祉新聞編集部
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社会で自立するための講義をする藤川部長

 公益財団法人資生堂社会福祉事業財団(大矢和子理事長)は3月3日、今春高校を卒業する児童養護施設や里親の元で育った子どもを対象にした「社会への巣立ちフェスティバル」を開催した。東京、千葉、神奈川から146人が参加し、社会人にふさわしい身だしなみの方法を学ぶとともに、同じ施設出身の先輩からのアドバイスに耳を傾けた。

 

 「オシャレと身だしなみはどう違いますか」―。

 

 東京・汐留にある(株)資生堂の本社会議室。今春卒業を控えた高校生らは男女別に分かれ、資生堂の美容部員による講義に耳を傾けた。参加者らは(株)AOKIから提供された真新しいスーツに身を包んでいる。

 

 講師は「オシャレは自分のセンスだが、身だしなみは相手への配慮。第一印象が良ければ、より相手との絆は深まります」と説明。人の印象は清潔感や知性が大切とした上で、スキンケアの方法などを講義した。

 

 女子を対象にした研修では、実際に資生堂の化粧品が用意され、社会人にふさわしいメークの方法を学んだ。グループごとに講師が「アイブロウは髪色に合わせるといいですよ」と具体的にアドバイス。「お化粧するとこんな気持ちになるんだ」と笑顔がこぼれる参加者もいた。

 

 

女子の研修ではビューティーコンサルタントがメークのアドバイスをした

 

 

 「そんなお辞儀じゃダメ」。午後に行われたマナー講座では、講師の厳しい声に部屋の空気が張り詰めた。

 

 講師を務めたのは藤川澄代・社会福祉法人大阪児童福祉事業協会アフターケア事業部長。同協会は大阪で、施設退所後に自立するためのさまざまな講座を1年間にわたり開いており、今回は内容を凝縮した。

 

 藤川部長は「社会では自分から話し掛ける姿勢がとても大切で、施設と違って誰もが受け入れてくれるわけではありません」と述べ、コミュニケーションの大切さを強調。「かわいがられる人になるためには、感謝こそが大事です」と語った。

 

 また、社会に出る不安について皆で話し合い、施設出身者の先輩が答えるプログラムもあった。

 

 「しんどいときの逃げ場が大切で、その一つは施設だと思う」「社会ではとにかくあいさつが大事」「公的な相談機関を知ってほしい」という先輩のアドバイスに、メモを取る参加者もいた。

 

 資生堂の創業100周年事業として1972年に設立された同財団は、子どもを中心に支援する事業を幅広く行っている。巣立ちフェスティバルは今回で14回目。大矢和子理事長は「社会に出ていく子どもたちが少しでも自信を持ち自立につながれば、社会はもっと豊かになる。これからもお手伝いができれば」と語った。

 

 

 

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