意外とお互いを知らない社協と生協 連携強化に向けた初の共同イベント

2019年0418 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
社協と生協の共同セミナーに予定以上の参加者が集まった

 社協と生協の連携を強化する動きが起きている。日本生活協同組合連合会は3月に全国社会福祉協議会に呼び掛け、地方の社協と生協による初の共同イベントを開催した。いずれも利潤の追求が目的ではない公益性の高い民間団体。これまで住民参加型在宅福祉サービスの推進などで提携したことはあるが、より広い地域連携を模索し始めた。

 

 3月上旬、東京都渋谷区にある日本生協連の会議室。「社協&生協つながりづくり」とするセミナーには、全国の社協や生協の職員など約80人が集まった。当初の予定よりも大幅に多かった。

 

 第1部ではお互いの組織について学習。第2部では、社協と生協の連携についての実践報告があった。第3部では、地域ごとにテーブルを囲み、グループワークを行った。

 

 社会福祉法に位置付けられている社協は、全国すべての自治体に設置され、福祉に関する事業の企画や住民参加の援助などをする。市区町村社協は1846カ所、都道府県や指定都市社協は67カ所、全社協が1カ所あり、それぞれ独立。民間としての自主性と、住民に支えられる公共性を持つのが特徴と言える。

 

 一方、消費生活協同組合法に位置付けられる生協も同じく非営利だが、消費者である組合員の暮らしの向上が目的だ。商品供給や福祉などのテーマを持って事業を展開する地域生協や都道府県単位の連合会などが全国には約600生協あり、その組合員数は2800万人に上る。このうち、全国組織の日本生協連には324の生協が加盟している。

 

 生協は社協と同様、戦前から活動しているが、法制化はいずれも1950年前後。法人税や固定資産税などの一部減免があるのも同じだ。生協の中には行政と協定を締結し、高齢者の居場所づくりや買い物難民支援など公益性の高い活動をしているところもある。

 

 「社協と生協は全く連携していないわけではない」と話すのは、日本生協連サステナビリティ推進部の松原慶明氏。セミナーの仕掛け人だ。

 

 例えば、2018年7月の豪雨災害では、岡山県・広島県で社協が設置した災害ボランティアセンターの運営を生協が支援し、物資管理なども担ったという。

 

 また長野県では、長野県生協連や長野県社協が主体となり、災害時に関係団体がスムーズに連携するためのフォーラムを開催。宮城県では社協と生協と地域のこども食堂の3団体が一緒にプロジェクトを立ち上げている。このため松原氏は「普段から社協と生協が顔の見える関係になれば、もっと力を発揮できる。何かきっかけが必要だと思った」と振り返る。

 

 結果的に、セミナーは好評だったという。全社協地域福祉部は「セミナーをきっかけに、県単位で日常的に協働しようという動きにつながった。今後、良い取り組みを全国の社協に紹介したい」と話す。

 

 日本生協連によると、参加者からも「災害で初めて顔が見える関係になるのでは遅い」など前向きな感想が相次いだ。松原氏は「民間企業と異なり、社協や生協は何があっても〝地域〟から逃れられない組織。地域共生社会を担う団体としてもっと連携の輪が広がれば」と話している。

 

 

 

地域福祉から未来へ 社協職員が向き合った3.11―宮城からのメッセージ
全国コミュニティライフサポートセンター
売り上げランキング: 1,060,602

 

新時代の協同組合職員 -地位と役割-
堀越芳昭 日本協同組合連携機構
全国共同出版
売り上げランキング: 378,391

 

これならわかる〈スッキリ図解〉共生型サービス
二本柳 覚 中川 亮 安藤 浩樹
翔泳社
売り上げランキング: 10,710
    • このエントリーをはてなブックマークに追加