高収入より人間関係を重視 女子大生が働きやすい職場の指標作り
2019年04月23日 福祉新聞編集部
女子大生が考える働きやすい職場とは?
東京都世田谷区の昭和女子大人間社会学部福祉社会学科の学生11人が中心になり、昨年度取り組んだプロジェクトをまとめた。アンケート調査から「正規雇用され、職場に安定性があり、福利厚生が充実している」を重視していることが分かった。
プロジェクトの目的は、女子大生から見た福祉・医療・保健の働きやすい職場を探り、その指標を作ること。福祉の仕事の全体像や就職活動、福祉現場の魅力について聞いたり、アンケート調査をしたりした。
アンケート調査は同学科の全1~3年生を対象に、208人から回答を得た。38の指標について働きやすい職場と思うかどうかを5段階評価で答えてもらった。
働きやすさの指標の上位には「職場のチームワークが良い」「仕事と家庭の両立制度がある」「職場の経営者・職員が尊敬できる」「職場内外で連携がとれている」などが入った。高い収入より、仕事の安定や人間関係を重視する傾向がみられた。
一方、指標として低いのは「ベンチャー企業」「ロボットが活躍する職場」「男性の管理職が多い」など。「職場に伝統がある」「職員数が多い」も下位だった。
また、進路希望では一般企業、社会福祉法人、福祉・医療系企業、公務員の順に多かった。
全結果は学年別、資格別(取得予定)でも分析しており、進路希望では、高学年になると福祉職ではなく一般企業を希望する学生が増える傾向があった。
報告書では、企業に比べて福祉職の情報が少ないこと、人手不足など福祉のマイナス面が報道され不安が増してしまうことを指摘。福祉職の具体的な仕事内容、やりがいを知る機会を増やすことを提言している。
学生を指導した北本佳子教授は「学生が福祉の学びや体験を自分の中に価値づけたり、意味づけたりできる支援が重要だ」と話している。
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