社会福祉法人 協働の議論、開始 人材不足などに対応〈厚労省 検討会〉

2019年0507 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
社会福祉法人検討会の初会合

 厚生労働省は19日、「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」(座長=田中滋・埼玉県立大理事長)の初会合を開いた。複数の社会福祉法人による事業の協働化、合併による大規模化、社会福祉法人が主体となる新たな連携法人制度などについて検討する。6月にも一定の方向性を固める。 

 

 厚労省は今夏策定する「医療・福祉サービス改革プラン」の骨子案で、有識者検討会を設置し、社会福祉法人が協働化や大規模化に取り組みやすくする方策などを議論するとしていた。

 

 検討会では基本的な方向性として、人手不足や地域の多様な福祉ニーズに対応するため、社会福祉法人の協働化や大規模化は有効だとした上で、合併のガイドライン策定や法人間のマッチング支援を議題に挙げた。

 

 また、社会福祉法人の責務である地域における公益的な取り組みを推進するため、病院や診療所などが連携する「地域医療連携推進法人」と同様の制度を社会福祉法人に創設することも議題とした。

 

 委員からは、大規模化が効率化につながるか、について多数の意見が出た。

 

 松山幸弘・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹は「大きな法人の方が職員のレベルが高い。1法人1施設はオーナーの意向が強く、人が育ちにくい」と指摘。原田正樹・日本福祉大副学長は「大きい方が研修の機会も多く、参加もしやすい」とした。

 

 一方、全国社会福祉法人経営者協議会の宮田裕司氏は「優秀なトップがいると職員も優秀。必ずしも小さな法人の人材の質が低いとは思わない」と述べ、藤井賢一郎・上智大准教授は「1法人が1施設から2施設になれば効率化するという単純な話ではない」とした。

 

 合併に関しては「ニーズはそれほどないのでは。法人の理念が合致しないと進まない」(日本知的障害者福祉協会の久木元司氏)との指摘があった。また、新たな連携法人制度については「ある程度の形が見えないと検討は難しい」(全国老人福祉施設協議会の本永史郎氏)など慎重な見方が多かった。

 

 なお、厚労省は、合併時の会計処理の仕方について整理する検討会を、6月ごろ立ち上げるとした。

 

 

 厚労省によると、社会福祉法人は全国に2万838(2017年度)あり、年約170のペースで増えている。サービス活動収益は平均年5億4000万円だが、約半数の法人は3億円未満だった。

 

 合併は年10~20件程度あり、理由は「業績不振法人の救済」「人的資源や財務資源の効率化・合理化」「役員の後継者不足」の順に多い。合併で消滅した法人の収益規模は、9割が年5億円未満だった。

 

 合併した法人などへのヒアリングでは「所轄庁が合併の手続きに疎い」「会計処理の不明な点を明確にしてほしい」などの意見があった。

 

 

 

福祉法人の経営戦略
福祉法人の経営戦略

posted with amazlet at 19.04.26
京極 高宣
中央法規出版
売り上げランキング: 215,322

 

経営力を高める 社会福祉法人会計の実践 予算の立て方から決算まで
田中育雄 吉野 仁 吉野縫子
清文社 (2019-02-08)
売り上げランキング: 281,058

 

ポケット版 介護用語集(日本語-英語)
一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会
医療経済研究・社会保険福祉協会 (2019-01-11)
売り上げランキング: 160,523

 

    • このエントリーをはてなブックマークに追加