JR和歌山駅の土産5選で紹介 障害者が作るこだわりのバウムクーヘン

2019年0528 福祉新聞編集部
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焼き上がったバウムクーヘンは手前の切断機で切り分ける

 和歌山県海南市の社会福祉法人一峰会(山添高道理事長)の障害者就労継続支援B型事業所「おかし工房桜和」は、地元食材にこだわったバウムクーヘン「キノネンリン」を製造している。JR和歌山駅の土産5選としてウェブで紹介されており、2月末に神戸市で開かれた第4回バウムクーヘン博覧会では、和歌山県代表として選ばれ、事前投票で全国人気1位に輝くほどの人気ぶりだ。

 

 バウムクーヘン製造のきっかけは、拔井友希所長が2009年に大阪市内で開かれた製造機器の展示会に出掛け、「3日で焼けるようになる」という焼き機に出合ったこと。その後、メーカーの研修に利用者と参加し、生地の計量、練り、袋詰めなど事業所利用者にできる作業が多いことから導入を決めた。ただ、売り物になる製品を職員が焼けるまでには、3カ月かかったという。

 

 こだわったのは、良質な県産食材を使うこと。当初は、紀州梅の梅酢飼料で育った鶏が産んだ「紀州うめたまご」や、みかん蜂蜜を使った「礎」(大1200円、小600円)と備長炭パウダーを練り込んだ「備長」の2種類だったが、赤字続きのため、13年から新商品開発に力を入れた。

 

 そして色川町で栽培する緑茶を使った「色川」、濃縮果汁をふんだんに入れた「有田みかん」、全国1位の栽培量を誇る山椒入りの「ショコラ山椒」の計5種類ができた。15年には「障害者スイーツ甲子園」でグランプリを獲得した。

 

左は「有田みかん」「色川」「礎」、右は5色バウム

 

◆専門家に営業依頼し、年間売り上げ1.5倍増

 

 販路も少しずつ増え、地元海南駅をはじめ、デパートの催事場、サービスエリア、ホテルなど15社と取り引きするようになった。それでも、施設職員の営業で販路を広げるのには限界があった。

 

 そこで拔井所長は、18年7月に製菓福祉事業所コンサルタントの山添利也・㈱コンフォート代表取締役を企画営業部長に迎え、販路の新規開拓など営業活動を依頼。その結果、8カ月余りで取り引き先は40社に増え、年間売り上げは1・5倍増の2900万円、工賃(時給)も28円増の313円になった。

 

 「売り上げの8割は土産物店などへの卸し。販路開拓が大きな課題だったが、今は製造が追いつかず、新規開拓をストップしている状態。生産量を増やすために新たな焼き機を入れ、広い移転先を探したい」と拔井所長は話している。

 

 

 

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