業務効率化5%超改善へ 厚労省「医療・福祉改革プラン」

2019年0604 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は5月29日、単位時間当たりのサービス提供量を2040年までに5%以上改善することを目指す「医療・福祉改革プラン」をまとめた。介護分野ではロボットの活用などにより省力化する。今後は現役世代が減ることを想定し、より少ない人員で増大する医療・福祉ニーズに対応できるよう生産性の向上を図る。

 

 同日、省内幹部で構成する「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」(本部長=根本匠大臣)を開き、「健康寿命延伸プラン」「就職氷河期世代活躍プラン」とともに決定した。

 

 5%という数字は、医師の業務のうちICT(情報通信技術)で代替できる医療記録、医療事務などの業務時間が、医師の平均労働時間の4・8%に当たることから導いた。

 

 5%の業務効率化は福祉にも適用し、浮いた分をサービス提供に充てる。効率化の方法は「ロボットやAI(人工知能)の活用」「介護助手としてのシニア人材の活用」を想定。

 

 それに加え、介護、障害福祉、保育所での事務文書を20年代初頭までに半減する。医療法人、社会福祉法人の経営規模を大きくし、中間コストを抑えることも期待する。

 

 社会福祉法人の合併、事業譲渡、法人間連携については検討会を設置済み。今後、実態を把握した上で指針を作る。これらを総動員して5%の業務効率化を目指す。

 

健康寿命3年超延伸

 

 健康寿命については、40年までに男女とも16年比で3年以上伸ばし75歳以上とすることを目標とした。福祉事務所が生活保護受給者の生活習慣病予防など健康管理を支える事業は、21年1月までに全自治体で導入する。

 

 高齢者の介護予防策は目白押しだ。体操や交流ができる「通いの場」を拡充し、20年度末まで65歳以上の参加率を6%にする。

 

 「通いの場」は介護保険の市町村事業により住民主体で開くもので、17年度は1506市町村・約9万カ所で活動実績がある。65歳以上の参加率は全国平均で4・9%。

 

 配食サービスは栄養管理を重視する。ボランティアらが運営する地域食堂に高齢者が集まり、管理栄養士と連携した配食事業者が食事を届ける。22年度までにそうした配食サービスを25%の市区町村で展開する。

 

無業者にも就労支援

 

 働き手や社会保障費を負担する人を増やす方策として、政府は新卒時に就職難だった就職氷河期世代(現在の35~44歳)に着目。安倍晋三首相の指示により、その活躍の場を広げる3年間の集中プログラムを夏までにまとめる。

 

 それに向けた厚労省案が今回のプランだ。不安定な就労を余儀なくされている人、無業の人に分けてそれぞれ支援策を打ち出した。

 

 無業者には、地域若者サポートステーションが生活困窮者自立支援法に基づく相談窓口と一体的に支援をしたり、福祉事務所に巡回相談したりする。相談の入り口段階で民生委員や引きこもり支援センターと接点を持つことを想定する。

 

 同本部は消費税率の引き上げが19年10月で一段落した後を見据え、18年10月に発足した。根本大臣はプランの策定を受け、「私が先頭に立って厚労省改革を進める。大臣官房の機能強化を通じ、社会保障施策と雇用労働施策を一体的・横断的に立案できるようにする」と抱負を語った。

 

 

 

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