東京パラ(8)パラローイング 駒﨑茂選手 限界までこぎ続ける

2019年0607 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加

 57歳で2020年東京パラリンピックを迎える駒﨑茂選手は、障害者向けボート競技「パラローイング」のダブルスカル(男女ペア2人乗り)への出場に向け、日々練習に励んでいる。

 

 03年7月、バイクを運転中にダンプカーと激突し、両足の切断を余儀なくされた。

 

 退院後、リハビリとダイエットのために始めた水泳に没頭。パラリンピック選手が所属するクラブチームで本格的な練習に取り組んだ結果、初出場した06年の全国障害者スポーツ大会で50メートル平泳ぎと50メートル自由形を制するまでに成長した。

 

 パラローイングを始めたのは8年前。知人のパラ選手からの誘いがきっかけだった。競技人口が少なく五輪出場を狙いやすいことや、競泳と同じ筋肉を使えることに魅力を感じ、競泳との「二刀流」に挑戦した。

 

 パラローイングは、身体障害、視覚障害者による競技。障害の程度によって、シングルスカル(1人乗り)、ダブルスカル、舵手フォア(5人乗り4人こぎ)のクラスに分かれる。

 

 カヌーと違い、進行方向に背を向けて座り、オールをこぐのが特徴。ルールや操作方法は健常者とほぼ変わらない。

 

 スタートの合図で一斉にこぎはじめ、2000メートル先のゴール目掛けてオールをこぎ、速さを競うシンプルな競技。

 

 「負けるのは何よりも嫌。本当に負けず嫌い」という駒﨑選手にとって、勝ち負けが明確で、勝つことが何よりも重視される点にやりがいを感じている。見どころは、1500メートルを超えたあたりからのラストスパート。「選手が気力、体力を振り絞ってこいでくるところを見ていただければ」。

 

 競泳で鍛えた腕力や肺活量を武器に、14年の国際大会で銀メダルを獲得。16年にはリオパラリンピックに出場したが、「いいところを見せようと、余計な動きをしてしまった」ため、12位に終わった。

 

 東京五輪のダブルスカルの出場枠は「12」。8月の世界選手権で、今年に入ってから練習を始めた新パートナーと出場権を獲得するため、ボート漬けの毎日を送る。

 

 年齢を感じさせないパワーを発揮できるのも、「家族や職場など周囲の献身的なサポートのおかげ」。

 

 障害を持つ人の応援が励みになる。「障害を持った人も頑張れると思っていただけるよう、限界までこぎ続けたいです。決して諦めない」と意気込む。

 

 自身が住む栃木県で開催する22年国体までは現役を続けるつもりだ。還暦間近になっても、元気にパラスポーツに取り組む姿を見せてくれるだろう。

 

 

 

 

決定版! パラリンピック大百科 4パラリンピアン物語
小峰書店
売り上げランキング: 627,807

 

オリンピック・パラリンピックを哲学する―オリンピアン育成の実際から社会的課題まで―
谷釜 尋徳 金子 元彦 土江 寛裕 角南 俊介 平井 伯昌 望月 修 加藤 千恵子 青木 滉一郎 小河 繁彦 岩本 紗由美 太田 昌子 林 大介 ジェイムズ ダニエル ショート 竹村 瑞穂 綿貫 慶徳 清水 宏 西村 忍 安則 貴香 矢ケ崎 紀子 谷塚 哲 塩田 徹 北島 信哉
晃洋書房 (2019-01-15)
売り上げランキング: 664,001
    • このエントリーをはてなブックマークに追加