障害者施設の製品 ふるさと納税返礼品に続々採用

2019年0830 福祉新聞編集部
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焼き菓子・パンが1番多く採用されている(和歌山・桜和)

 都市部と地方の税収格差を是正するために、2008年4月に始まった「ふるさと納税制度」。14年ごろから返礼品を贈る自治体が増えたことで、制度の利用者が急増しており、18年度の寄付件数は約2322万件、寄付総額が約5127億円に上った。

 

 実は、福祉と関係が深い制度だ。返礼品として障害者施設の製品が採用され、お墓の清掃代行などのサービスを障害者施設の利用者が担うなどする。岩手県陸前高田市の一般社団法人「ドリームプロジェクト」のように、返礼品の梱包・発送作業を担当する就労の場を立ち上げ、それを障害者施設の利用者が行っている例もある。

 

 自治体によっては、寄付者の意向を確認し、返礼品相当分の金額を児童施設に寄付したり、車いすなど役立つ製品に換えて福祉施設に寄贈したりもしている。

 

 今年2月には、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する(株)トラストバンクと、群馬県前橋市、岩手県北上市が、福祉施設やNPO法人を支援する思いやり型返礼品プロジェクト「きふと、」を立ち上げた。

 

 障害者施設の製品を返礼品に採用する「支援型」、福祉施設に車いすなどを贈る「寄贈型」、協賛金を贈る「協賛型」、高齢者のための雪かきを手伝うなど体験イベントを行う「参加型」の取り組みを全国の自治体に広げるのが狙いだ。19年度末までに100自治体の参加を目指している。

 

全国201自治体で

 

 ふるさと納税の返礼品に障害者施設の製品を採用している自治体は多い。福祉新聞は今年2~4月にかけ、全国1741市区町村の返礼品を独自調査した。その結果、少なくとも201市区町村(全体の11・5%)で、返礼品に採用していることが分かった。

 

 採用されていたのは、253団体の526品。団体別では、社会福祉法人が156法人・305品で全体の6割を占めた。障害者施設を運営する2995法人に占める割合は5・2%。

 

 

 

 採用された製品は、焼き菓子・パンが多く、さをり織りなどの縫製品、木工製品と続く。526品のうち50品は焼き菓子と縫製品など同一法人で作る組み合わせ品だった=グラフ参照

 

 分野別では食品が半数を占める。ケーキや生鮮野菜など消費期限が短い製品も多く採用されている。ユニークな返礼品としては、障害者が寄付者に代わって伊勢神宮に参拝する代行サービスがあった。

 

 採用製品に対する寄付額は1万円以上1万5000円未満が6割を占める。最高額の10万円は障害者が描いた絵画だった。

 

 調査結果について、全国社会就労センター協議会(セルプ協)の阿由葉寛会長は「多くの自治体が障害者施設の製品を採用してくれていて本当にありがたい。返礼品に採用されると、寄付者に喜んでもらえる製品をもっと作らないといけないなと励みになります」と話している。

 

 

 

 

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