「給付と負担」に意見多数 厚労省介護保険部会

2019年0909 福祉新聞編集部
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今後は開催頻度を増やし議論を深める

 2021年度からの第8期介護保険事業計画に向けた議論をしている「社会保障審議会介護保険部会」(部会長=遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所長)が8月29日、開かれた。厚生労働省が2月に示した五つの検討事項について、今回から2巡目の議論に入った。委員からは、被保険者・受給者範囲の在り方などを含めた「給付と負担の見直し」について多くの意見が出た。

 

 五つの検討事項は▽介護予防・健康づくりの推進▽保険者機能の強化▽地域包括ケアシステムの推進▽認知症「共生」「予防」の推進▽持続可能な制度の再構築・介護現場の革新。

 

 厚労省は同日、これまで一通り議論した内容を踏まえ、今後の具体的な論点を示した。

 

 持続可能な制度の再構築についての論点では、被保険者・受給者範囲のほか、ケアマネジメントの利用者負担の導入、利用者負担の「一定以上所得」の基準見直し、軽度者への生活援助サービスの地域支援事業への移行、などが挙げられた。

 

 被保険者・受給者範囲の在り方に関する委員の意見では、健康保険組合連合会の河本滋史氏が「介護保険の対象年齢引き下げは現役世代の負担増につながる。慎重な議論を求める」、日本商工会議所の岡良廣氏が「範囲引き下げには反対」と発言した。

 

 日本経済団体連合会の井上隆氏は「利用者の2割負担の対象者を増やすなど現行制度で可能な限り見直しを」と述べた。認知症の人と家族の会の花俣ふみ代氏は「制度持続のためであっても利用者負担が増えれば生活と介護は立ちいかなくなる」と述べた。

 

 また、制度全体に関して全国老人福祉施設協議会の桝田和平氏は「制度ができて19年たち、社会の状況も変わった。制度の大枠を抜本的に見直す時期にきている」と指摘した。

 

 厚労省は被保険者・受給者範囲について「拡大すべき、すべきではない、のどちらの立場にもないが、これまでの議論が出発点になる」と話した。

 

 部会は今後、開催頻度を増やし、個別のテーマについて議論を深め、年内に報告書をまとめる。年明けには介護保険法の改正法案を提出する予定だ。

 

 

 

 

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