「子どもの心の内なる声」を聞いて 東京都里親支援機関が講座

2019年0920 福祉新聞編集部
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長田さん(左)とホッブスさん

 東京都内の小中高校や特別支援学校などの教職員を対象にした公開講座「社会的養護のもとで暮らす子どもを支えるために」が8月23日に東京都子供家庭総合センターで開かれ、約25人が参加した。 社会福祉法人二葉保育園二葉乳児院や一般社団法人東京公認心理師協会、NPO法人キーアセットで構成する東京都里親支援機関が主催した。

 

 東京都で社会的養護を受ける子どもは約4000人、うち里親家庭で暮らすのが約460人。一方、公立の小中高と特別支援学校は2100校ある。

 

 講座では、まず二葉・子どもと里親サポートステーションの長田淳子さんが社会的養護の制度とともに、里親が経験する戸惑いや、子どもの適応過程についても紹介した。

 

 例えば、子どもは、様子見の時期や、赤ちゃん返りなど揺れる時期を経て、里親との関係が成立する。こうしたプロセスは成長に伴い繰り返され、そのたびに里親が喪失体験を受け止め、子どもの安全基地となることが大事だという。

 

 その上で、長田さんは学校との連携の重要性を強調し「先生次第で子どもの安定感は全然違う。特別視ではなく、ちょっとした配慮をしていただければ」と呼び掛けた。

 

 続いて、里親の当事者としてホッブズ美香さんが登壇し、これまで4人の子どもを受け入れた体験を語った。

 

 2番目に受け入れた小2男児は、攻撃的な特性があったが、「転校前に学校が担任や養護教諭、PTA役員らと会議の場を設けてくれて、ありがたかった」と振り返った。

 

 受け入れ後は、周りの協力を得ながら過ごせたものの、最終的にクラスメートが「彼がいるから学校に行けない」と訴えたことから、3年で里親を辞めることになったという。その後、男児は児童自立支援施設に措置変更になった。

 

 「そのとき初めて難しい子だったと理解し、自分の感覚がまひしていたと気づいた。むしろ、まひしないと生活ができない状況だった」と語った。

 

 その後の質疑応答では教職員からは「複雑な実家庭の事情について、学校側はどの程度まで子どもから聞き出すのがベストなのか」などの質問が出た。

 

 これに対し、長田さんは「里親や児童相談所との情報の共有が大切。先生がその子どもと関係性が築けていれば、まずは子どもの心の内なる声を聞いてあげてほしい」とアドバイスした。

 

 

 

 

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