認知症? 実は難聴かも… 石倉三郎さんが犬童監督と啓発ムービー

2019年1008 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
左から中石理事長、石倉さん、犬童監督

 介護現場などで難聴なのに認知症であると誤認されるのを啓発するショートムービー「気づかなくてごめんね」が9月17日、公開された。この日、主演の石倉三郎さんと監督の犬童一利さんが完成発表会に出席し、「多くの人に見てほしい」と訴えた。ヒアリングハラスメント・ゼロ推進委員会の主催。

 

 同委員会によると、日本では難聴について知る機会が少ないため理解が乏しく、医療や介護の現場で、実際は難聴なのに認知症だと誤解されるケースが少なくないという。そのため同委員会は、高齢者に耳元で威圧的に大きな声で話すことなどの行為を「ヒアリングハラスメント」だと問題提起している。

 

 今回公開されたムービーは約7分。近所とトラブルを起こし、認知症と家族に思われている石倉さんに、妻が卓上型対話支援システム「コミューン」を使うことで、実は難聴だったことが明らかになる内容だ。石倉さんにはセリフがなく、表情だけで高齢者の持つ孤立感を表現したのが見どころとなっている。

 

 犬童監督と石倉さんは2016年に発表された介護がテーマの映画「つむぐもの」でもタッグを組んだ。発表会で犬童監督は「登場人物に共感できるような作品。1人でも多くの人に届けたい」と話した。石倉さんは「演じたことで、ヒアリングハラスメントのことが、砂に水がしみるように分かった。見ると見ないでは大きな違いがある」と語った。

 

 ムービーは作中にも出てくるコミューンのPRの一環として制作された。コミューンは通常のスピーカーと異なり、音を高齢者でも聞こえる周波数に変換することで、クリアに聞こえる福祉機器。現在、医療機関や福祉施設、行政、銀行など4600施設で9000台が使われているという。

 

 同委員会の中石真一路理事長は、「難聴は周囲の誤解により社会的孤立を深め、脳の萎縮が起こることもある」と指摘。今後、ウェブやイベントなどを通じて啓発していく考えを示した。

 

 

 

 

「よく聞こえない」ときの耳の本 2020年版 (週刊朝日ムック)
朝日新聞出版 (2019-09-03)
売り上げランキング: 4,945
    • このエントリーをはてなブックマークに追加