福祉経営改革 「連携法人」を介して法人間で資金融通可能に(厚労省案)

2019年1106 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は10月29日、「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」を開き、社会福祉法人参加必須の社会福祉連携推進法人(仮称)の創設に向けた論点を示した。連携法人には社会福祉法人や自治体、医療・公益・NPO法人などが参加できる。所轄庁の認定を得ることとする。連携法人内で資金の融通を可能とすることが特徴だ。 

 

 連携法人は、社会福祉法人の「合併・事業譲渡」という事態に陥るのを避けるため、資金の融通も可能とし、経営基盤とサービスの強化を図るイメージで設けられる。

 

 法人格は一般社団法人で、法改正も必要となるため、厚労省は「現時点で実施時期は未定」としている。

 

 資金の融通は、連携法人に参加する法人間で直接貸し借りするのではなく、連携法人を介して行い、その内容については所轄庁が認定する。

 

 社会福祉法人は収益の法人外支出が禁止されていることを踏まえ、限定的に認める仕組みをつくる。

 

 社会福祉法人が貸し付けできる額を本部経費(各事業の収益のうち法人本部に充てられる額)の範囲内とし、集まった資金は他の資金と分けて管理し、貸し付け以外の使用を禁止する。

 

 また、貸し付けを受ける社会福祉法人は、自法人への貸し付けについて議決権はなく、重要事項を決める際は連携法人の承認を必要とする。

 

 理事会を必置とし、評議会で地域関係者の意見を聞き、規模に関係なく1法人が1議決権を持つ総会で連携法人に関する事項を決議する。

 

 参加法人の会費で運営し、地域共生社会や災害対応、人材確保・育成、経営支援などに関して連携して取り組む。都道府県をまたいで活動できるが、社会福祉事業は行えないようにする。

 

 これらの論点に対し、委員からは「貸し付けは債務保証もできるようにするのか」(全国社会福祉法人経営者協議会の宮田裕司氏)、「連携法人で総合相談をすれば社会福祉事業を求められることもある」(日本知的障害者福祉協会の久木元司氏)、「種別協議会の会費も払えない社会福祉法人は連携法人にも参加できない懸念がある」(全国老人福祉施設協議会の本永史郎氏)などの意見が出た。

 

 また、「所轄庁の自治体が連携法人に参加した場合、中立性は担保できるのか」(京都府地域福祉推進課の神田浩之氏)、「社協も参加できるのか。社協と連携法人の違いの整理が必要」(日本福祉大の原田正樹氏)といった指摘のほか、連携法人のガバナンスを担保する仕組みを求める意見も目立った。

 

 

 

 

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