産前産後の支援を強調 全国母子生活支援施設協議会が報告書案を発表

2019年1108 福祉新聞編集部
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あいさつする菅田会長

 全国母子生活支援施設協議会(菅田賢治会長)の第63回研究大会が10月15、16両日、福岡市で開かれ、全国から約300人が参加した。大会では、産前と産後の支援など母子生活支援施設が持つ専門性をまとめた報告書案を発表。今後、各都道府県が策定する「社会的養育に関する計画」策定の議論で活用してもらいたい考えだ。

 

 各都道府県は今年度中に、今後の社会的養育に関する推進計画を策定する予定で、現在大詰めを迎えている。「全母協」によると、全国30自治体で母子施設が推進計画策定に関わっているという。

 

 開会あいさつで、菅田会長は年度末に向け「推進計画に全く母子施設が触れられなければ、本当に存在が消えてなくなる可能性もある」と危機感をあらわにした。報告書は「産前産後の母子支援を不退転の決意で取り組むものだ」と強調し、それぞれの自治体へ働きかけを強めるよう要望した。

 

 今回発表された報告書案は、虐待により死亡する子どもは0歳が最も多いことから、「産前・産後母子支援体制の構築が不可欠」と指摘。母子施設が持つ機能を紹介した上で、専門性の向上を求めている。

 

 具体的には、母子施設の強みとして、困窮などで支援が必要な「特定妊婦」を受け入れ、出産後も切れ目のない支援を行う点を挙げた。

 

 また、母親へのアセスメントや、病院や児童相談所など関係機関との連携も強調している。このほかDVにより入所した30代女性など母子施設による支援内容の事例も盛り込まれている。

 

 2日目の分科会では、大分県の内藤善一・永生会母子ホーム施設長が産前産後の母子支援をテーマに報告。厚生労働省のモデル事業として看護師を配置したと説明した。

 

 具体的に、車中生活をしていた単身妊婦や、乳児院から移転してきた母子など6ケースを紹介した。その上で、内藤施設長は「周産期の不安定な時期の妊婦が安心して出産できることが一番大切だ」と強調。病院や福祉事務所とも顔の見える関係になった点もメリットだとした。

 

 一方、課題としては、看護師も含めた職員全員の役割の確立や、退所後のケースの把握を挙げた。

 

 

 

 

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