子育て支援の輪広がる 「ホームスタート」10周年記念フォーラム 

2019年1220 福祉新聞編集部
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担当のボランティア(左)とホームスタートの体験談を語る双子の父母

 英国発祥の家庭訪問型子育て支援「ホームスタート」が、日本で始まって10年がたった。それを受け、NPO法人ホームスタート・ジャパンは7日、都内で10周年記念フォーラムを開催。関係者ら約280人が集まり、支援のさらなる普及と充実への意識を高めた。

 

 ホームスタートは、1973年に英国で始まり、フランスやオランダなど22カ国に広がっている。

 

 研修を受けた育児経験のある地域のボランティア(ホームビジター)が、週1回2時間程度、定期的に家庭を訪問する。

 

 「傾聴」と「協働」が活動の根幹で、ベビーシッターや家事代行はやらない。ボランティアは話し相手になったり、家事や育児を一緒にしたりして、子育て中の親を元気づける。

 

 実施団体はNPOが多数を占め、社会福祉法人は3割ほど。近年は自治体の委託事業として実施しているケースが増えてきている。

 

 2009年にNPO法人「ホームスタート・ジャパン」が設立された。年々、支援の輪は広がり、現在、30都道府県の103団体が実施。ボランティア数は約2700人に増えた。

 

 これまでの利用家庭は累計8684家庭で、訪問回数は累計約7万件。支援ニーズは孤立感の解消や子どもの成長・発達が多い。

 

 シンポジウムでは、ホームスタート・ジャパン代表理事で大正大教授の西郷泰之氏があいさつ。支援体制が年々充実しているとの認識を示した一方で、「支援の手が届いていない家庭がまだまだある。ボランティアの方を先頭に、支援を届けていくことが重要だ」と指摘した。

 

 その上で、「日本中の全ての孤立した子育て家庭へ支援を届けるための挑戦を、皆さんと一緒に続けていきたい」と力を込めた。

 

 続いて、ホームスタートを利用した家庭と担当のボランティアが登壇し、当時の思いや利用した感想を発表、会場は温かな空気に包まれた。

 

 6月に双子を出産した都内の母親は、実家も遠く1人で手探りしながらの育児に不安やイライラを感じ、自己嫌悪に陥ることもあったという。

 

 そこで、生後1カ月半からホームスタートの利用を開始。「週に1回の訪問が心からの楽しみでした。一緒に子どもを見ながら話をすることで、ストレスの発散や気持ちがリセットされて、とても助かった」と振り返った。

 

 現在、2期目の利用が終わろうとしている状況で、「(ホームスタートを)利用して本当に良かった。今は寂しいと思うくらいです」と話した。

 

 フォーラムではこのほか、国連子どもの権利委員会委員で、弁護士の大谷美紀子氏が基調講演した。

 

 乳児期における親支援の重要性を指摘した上で、ホームスタートを「子どもの人権、権利を守ることに直結する素晴らしい活動」と称し、今後の活動に期待を寄せた。

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