依存症の診療に医師の4割が拒否反応 理由は人手不足〈日精診 初調査〉

2020年0124 福祉新聞編集部
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日精診の調査では医師の4割が拒否的な態度

 アルコールやギャンブルなどの依存症の患者の治療に、拒否的な精神科医が4割に上ることが12月19日、日本精神神経科診療所協会(日精診、三木和平会長)による初の調査で判明した=グラフ参照。診療所の人手不足が主な理由で、治療方法の確立と診療報酬上の評価が求められている。

 

 同協会の依存症対策プロジェクトチームの辻本士郎委員長(東布施辻本クリニック院長・大阪府)が同日、厚生労働省の「アルコール健康障害対策関係者会議」(会長=樋口進・国立病院機構久里浜医療センター院長)で調査の速報値を報告した。

 

 依存症患者を診る診療所が少ないとの指摘は以前からあったが、精神科医の考えが表に出る機会はほとんどなかった。同協会は今回の調査結果をきっかけに、依存症の治療環境を改善したい考えだ。

 

 調査は昨年8~9月、同協会員の精神科医1092人を対象に実施。507人から回答を得た。2014年6月施行のアルコール健康障害対策基本法により「社会的要請が高まった」(辻本さん)ことから調査に臨んだ。

 

 それによると、依存症患者に対するスタンスについては、「受付を断りたい」とした人が15%。「できればかかわりたくないが一応は診る」が26%。全体の4割が拒否的な態度であることが分かった。

 

 治療に取り組みにくい理由のうち「診療所側の問題」(複数回答)では「対応するコ・メディカル(医療従事者)がいない」(35%)、「忙しくて手が回らない」(34%)が目立つ。

 

 自由記述では「労力の割に医療点数が少ない」と、診療報酬の低さを問題視する意見が多い。特に、依存症患者本人が受診を拒む例で、家族を支援しても診療報酬がつかないことを嘆く声が根強い。

 

 また、「医師だけでは何もできない」「依存症発症以前に発達障害のある人が一定数いる」「自分のやり方がズレていないか不安だ」といった記述もあり、一人ひとりが手探りで対応している姿が垣間見られた。

 

 

 

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