土曜は合同保育で負担軽減 有休取得にも一役(社会福祉法人愛生会・秋田)

2020年0206 福祉新聞編集部
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今では合同保育を楽しみにしている子どもも多い

 利用者が少ない場合、土曜日の保育を2園以上の保育所が合同で実施する「合同(共同)保育」。保育士の負担軽減・有給休暇取得率向上が期待できる取り組みだが、全国でも実例はまだ少ない。今年度から取り組みを始めた園に、効果と課題を聞いた。

 

環境の変化最小に

 秋田県鹿角市で、わかば保育園と大湯保育園の2園を営む社会福祉法人愛生会。2019年6月から合同保育を始めた。

 

 毎週土曜日、大湯の子どもがわかばで一緒に保育を行う。保育士は必ず両園から出勤させ、保育環境の変化を最小限にとどめている。

 

 開始当初は人見知りする子どもがいたがすぐに慣れ、今では楽しみにしている子どもも多いという。

 

休み取らせたい

 なぜ合同保育を始めることになったのか。保育施設事務管理統括を務める亀沢貴子さんは「自らも子育てをする保育士が多く、土曜日に子どもの行事と仕事が重なることが増えてきました。少しでも希望通り休みを取らせてあげたかったのです」と説明する。

 

 2園の保育士約24人のうち、子育て世帯の割合は9割にも上る。同じ学校に通っている場合、部活動の大会や文化祭などの学校行事が重なることがあり、休みを譲り合うこともあった。

 

 国の配置基準では、子どもに対する保育士の数として、0歳児3対1、1~2歳児6対1、3歳児15対1、4~5歳児30対1と決められている。

 

 2園が合同保育を実施することで、例えば5歳児のクラスの登園児が5人ずつなら、通常保育士が1人ずつ計2人必要なところ、1人で済む計算だ。

 

保護者理解は重要

 ハードルはなかったのか。「市に問い合わたところ、法人の規定に合同保育の実施を盛り込むのに加え、開園時間の長い園に合わせること、何より保護者の同意が必要と言われました」。

 

 保育時間は、わかば保育園が午前7時~午後7時、大湯保育園が午前7時15分~午後6時45分。不平等がないよう、わかば保育園に合わせた。

 

 園の保護者会で合同保育の実施を告げた際には、普段と保育環境が変わることへの不安を口にする保護者もいたという。

 

 「最終的には『保育士も子育てしている親なんだ』と理解していただいたのが大きいと思います」。開始から半年以上たつが、目立ったクレームはない。

 

現場は効果実感

 中・高校生の子どもを持つ、保育士の黒澤裕香さんに話を聞いた。「今までは三つ行事があったら、一つは我慢していました。今は希望通り休みが取れていると思います」と実感を口にする。

 

 また「普段別々の園で働く先生と仕事をすると『こんな遊びもあるんだ』と新たな気付きにもつながりました」と保育士としての成長にも一役買っている。

 

園同士の交流も

 同法人では、準備から数カ月で合同保育を始めることができた。その理由について、亀沢さんは「同じ法人同士で保育方針が一緒だったこと、普段から情報共有が図れていたこと、園同士の交流があったことではないでしょうか」と分析する。

 

 子どもだけでなく、保護者同士の交流も広がってきた。「小学校に上がっても、子ども同士、親同士のつながりを維持できるのではないでしょうか」。来年度以降も継続する方針だ。

 

 

 

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