独り暮らしの高齢者を支える 豪雪地帯の移動販売・買い物代行(山形)

2020年0207 福祉新聞編集部
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移動販売の準備をする職員と利用者

 山形県米沢市の社会福祉法人米沢栄光の里(日下部道雄理事長)は、地域貢献事業として移動販売スーパーマーケット「夢をつなぐ号」の運行と、買い物代行サービスを行っている。冬季には積雪が2~3メートルになる豪雪地帯で、買い物に行けない1人暮らし高齢者を支える貴重な社会資源になっている。

 

 移動販売は、2015年に職員が参加した全国社会就労センター協議会全国研究大会で発表された先進事例を参考に18年に始まった。軽トラックを改造した移動販売車に、地元のスーパーや精肉店から仕入れた野菜、日用品、菓子、飲料、惣菜、自園栽培の椎茸などを載せ、毎週木曜日に市内5拠点を回り、登録者10人に販売している。

 

 販売は、障害者支援施設「栄光園」(栗田美佐子園長)の職員3人と利用者1人がチームを組んで担当。冬季には、拠点まで来られない登録者のために玄関先まで品物を運び、販売することもある。

 

 買い物代行は、移動販売では扱えない刺身やすしなどを届けてほしいという声に応え始まった。現在、6人の登録者がおり、事前に届いた注文書に従って品物をそろえ、毎週火・木曜日に職員と利用者が自宅に届けている。

 

 事業開始の際に気を配ったのが、高齢者が求める品物をそろえることだった。幸い栄光園の生産活動として、法人運営3施設の給食材料の調達と施設利用者の買い物代行を、利用者と職員が行っていた縁もあり、2軒のスーパーの全面協力を得ることができた。惣菜は市内の精肉店などを回り、協力してくれる店を探した。

 

 スーパーなどで仕入れた商品は、そのままの価格で提供する。ガソリン代など月7万円の経費は全て法人の持ち出しだが、「地域のために今後も続けたい」と日下部理事長は話す。

 

 ただ、持ち出すばかりではなく、いただく物もあるという。「それは登録者からの『ありがとう』の言葉。職員や利用者に大きな励みになっており、地域との信頼関係づくりにもつながっている」と栗田園長は話している。

 

 

 

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