厚労省WG「子ども分野を担う新資格が必要」 国家資格化には賛否

2020年0302 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は2月19日、子ども家庭福祉分野の新たな国家資格について議論するワーキンググループを開催した。資格化する対象や資格の取得方法などについて議論し、委員からは子ども家庭福祉分野全体に関わる資格が必要との声が上がった。

 

 会合で厚労省は資格の在り方に関する論点を提示。具体的に、子ども家庭福祉分野のソーシャルワーカー(SW)や、指導も行うSW、児童相談所の児童福祉司などを挙げ、資格化の対象範囲について議論を求めた。

 

 奥山眞紀子・日本子ども虐待防止学会理事長は、市町村や児相、施設など幅広く対象とすべきとの考えを示した。また、宮島清・日本社会事業大教授も「児相だけでは子どもは守れない。民間も含めて子どもと家庭を支える体制は必要」と語った。

 

 小山菜生子・全国児童家庭支援センター協議会幹事も「児相と民間で共通の言語や視点で話せることが必要」と述べるなど、おおむね子ども分野を幅広く担う資格が必要との意見で一致した。

 

 ただ、こうした新資格の位置付けや社会福祉士など既存資格との関係などについては意見が分かれた。

 

 奥山委員は「社会福祉士だけで児相のことができるかというと、答えはノーだ。しっかりした資格が必要」と主張。藤林武史・福岡市こども総合相談センター所長も将来的には児相に子ども分野の国家資格を持つ人が8割になるような状況を目指すべきとの考えを示した。

 

 これに対し、栗原直樹・日本社会福祉士会副会長や加藤雅江・日本精神保健福祉士協会常任理事は新たな国家資格には反対の姿勢を示した。宮島委員も社会福祉士をソーシャルワークの共通基盤として活用すべきだと強調した。

 

 また江口晋・大阪府中央子ども家庭センター所長は、行政の福祉職採用では児童分野以外にも生活保護や障害分野の業務もあることから「採用後のことを考えると国家資格に縛られるのは難しい」と指摘した。

 

 

 

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