〈野口幽香賞〉都内で24時間開所する保育園 片野園長が初の受賞者に

2020年0313 福祉新聞編集部
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野口幽香賞を受賞した片野園長

 東京都内で保育園や乳児院、児童養護施設を運営する社会福祉法人二葉保育園(井上従子理事長、法人本部・新宿区)は今年で創立120周年を迎えた。これを記念し、日本の児童福祉の先駆者の一人で、法人の創設者でもある野口幽香(1866~1950年)の名を冠した「野口幽香賞」を立ち上げた。

 

 幽香は今日のような福祉制度がない時代、放置された貧しい子どもやその母親らを支援した。1900年、東京・麹町の借家で始めた私立二葉幼稚園が法人の前身に当たる。

 

 幽香の精神を後世に伝えようと創設したのが同賞。乳幼児の福祉増進に資する顕著な活動や調査研究を行う個人、団体をたたえ、賞状と副賞の50万円、記念品を贈る。

 

 応募は多数に上り、外部有識者を含む選考委員会(遠藤久江委員長)で審査した結果、社会福祉法人杉の子会が運営する、都内初の24時間開所する認可保育所「エイビイシイ保育園」(新宿区)の片野清美園長=写真=が選ばれた。

 

 1983年、都内有数の繁華街・歌舞伎町の近くにある大久保のビルの一室で、無認可の夜間保育所をスタートさせた。夜間保育への偏見や非難と闘いながら、2001年に認可保育所へ移行。現在は学童保育や児童発達支援にも尽力している。

 

 同賞授賞式は2月、キリスト教徒だった幽香にゆかりのある番町教会(千代田区)で開かれ、片野園長に賞状と副賞が贈呈された。片野園長は「本当にうれしい。夜間預かっている子どものために、なにがなんでも、死ぬ気でとの思いで取り組んできた。まだまだ頑張る」と力を込めた。

 

 二葉保育園は今後も同賞を通じて、幽香の精神や偉業を広めていきたいとしている。

 

 

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