労働者協同組合誕生へ 超党派の議連が今国会での成立目指す

2020年0415 福祉新聞編集部
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 働く人が資金を出し合い、経営にも携わる「協同労働」に法人格を認める法案の原案が3月31日、分かった。出資した組合員が組合と労働契約を結ぶことが柱。同日、超党派による「協同組合振興研究議員連盟」(会長=河村建夫・元官房長官)が総会を開き、各党で詰めの作業に入ることを決めた。今国会での成立を目指す。

 

 河村会長は、与党の作業チームが法案を練り上げてきたことを評価し、「法案の成立に向けて、一歩踏み出したい」とあいさつした。社会福祉法人、NPO法人などと並び、介護や福祉の担い手にもなる法人格が生まれることになりそうだ。

 

 法案の名称は「労働者協同組合法案」。一般企業では出資者(株主)、経営者、従業員とそれぞれ役割が異なるが、新法人の「労働者協同組合」では働き手が出資者となり、全員で協議しながら経営方針を決める。剰余金の一定割合を積み立て、新しい仕事を作る仕組みも条文化した。

 

 法案の狙いは、「意欲や能力に応じた多様な就労機会を創出することにより、活力ある地域社会を実現する」というもの。田村憲久・元厚生労働大臣とともに法制化をけん引してきた桝屋敬悟・衆議院議員(公明)は、「法案の趣旨を国会でも十分説明したい」と意欲を示した。

 

 労働者協同組合は非営利の法人。行政の認可や認証は要さず、比較的簡便に設立できるのが特徴だ。現在、協同労働の考え方を反映した法人格はなく、NPO法人や企業組合として介護、福祉、ビル管理、農業などに携わる団体がある。

 

 その一つ、「日本労働者協同組合連合会」(古村伸宏理事長・東京)によると、加盟23団体の事業高は2016年度で335億円、協同労働に従事する人は1万3420人。そのうち介護・福祉、子育て関連は事業高が180億円で約5400人が従事する。

 

 介護保険の在宅サービスや障害児の放課後デイサービスなどで実績を持っていて、東日本大震災後は人手不足に悩む東北で事業を興す人たちの姿が話題となった。同連合会は新しい法人格ができればさらに働き手が増えるとみている。

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