ネットカフェ滞在者を受け入れる東京と神奈川 休業要請で宿泊場所を提供

2020年0423 福祉新聞編集部
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柔道場に簡易ベッドが並ぶ。周囲には間仕切りも設けられた(県立武道館で)

 新型コロナウイルスに関する4月7日の政府の緊急事態宣言を受け、映画館など事業者への休業要請に慎重だった神奈川県は10日、東京都が休業要請に踏み切ったことを踏まえて方針を転換した。インターネットカフェも休業要請の対象とした黒岩祐治知事は、ネットカフェで暮らしていた人の一時滞在先として11日午前零時から県立武道館(横浜市港北区)を開放。県職員は簡易ベッドを柔道場・剣道場に並べた。

 

 11日午後4時までに男性5人が受け付けで氏名・連絡先のほか倦怠感の有無などを記帳し、県職員に案内されベッドで荷ほどきをした。14日正午までに滞在した人は男性29人、女性2人に上る。

 

 川崎市内のネットカフェで約3年暮らしていた求職中の男性(37)は、「急にカフェが休業となり困惑している。今回の休業要請は中途半端だ」と硬い表情で語った。

 

 11日夜からはベッドごとに間仕切りが設置されたものの、暖房器具はなし。毛布は1人2枚だけだ。桜の花びらが残る4月とはいえ、夜はかなり寒い。県職員が交代で常駐するが、飲食は提供しない。

 

 県は2011年3月の東日本大震災を受け、同4月、原発事故が起きた福島県から避難してきた人を同武道館で受け入れた。県スポーツ課によると、同武道館を避難場所として使うのはそれ以来9年ぶりという。

 

 黒岩知事は休業要請した事業者に県が補償することは困難だとしていたが、14日になって一転。休業したり営業時間を短縮したりした事業所に、10万~30万円を支給する方針を打ち出した。5月7日から申請を受け付ける予定だ。

 

東京ではホテル提供

 一方、同様に休業要請した東京都は、一時的な宿泊場所としてビジネスホテルなどを借り上げ、無償提供を始めている。

 

 都内のネットカフェに寝泊まりして生活する人は約4000人いると推計されている。

 

 都はこれまで、ネットカフェなどに寝泊まりして不安定な仕事に就いている人向けに、民間アパートや都営住宅の計100戸を利用してもらう事業を展開しているが、既に満室状態。

 

 そのため、これを拡充し、都は新たにアパートを中心に約400戸を借り上げる。確保するまでの一時的な措置として、ビジネスホテル100部屋を無償提供。14日現在、既に満室に達しているため、ホテルの受け入れ部屋を拡充している。

 

 ネットカフェや漫画喫茶で寝泊まりしながら就労する人をサポートする都の相談窓口「TOKYOチャレンジネット」(新宿区歌舞伎町)には11日、都内各所から100人近くが訪れた。ネットカフェが閉まったことによる住居相談が大半を占めた。

 

 職員が都の取り組みなどを説明し、住まいの方向性が見えると安心した表情を浮かべていたという。

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