福祉施設の水害避難計画 作成済みは45% 2021年度までに100%へ〈国交省〉

2020年0721 福祉新聞編集部
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昨年10月の台風で被害を受けた川崎市内の団地。市内の就労継続支援B型事業所「マイwayたかつ」に通う障害者が泥上げ作業に励んだ(マイwayたかつ提供)  

 水害発生の恐れがある地域の高齢者・障害者施設などに作成が義務付けられる「避難確保計画」について、国土交通省は7月8日、作成済みの施設が対象施設全体の45%にとどまることを明らかにした。自治体ごとで作成状況にバラツキがあるが、国交省は2021年度末までに100%の作成率を目指す。

 

 同計画は地域防災計画で定められた対象施設が作り、迅速に避難するための避難誘導や防災体制などを盛り込む。国交省によると、今年1月1日時点で、浸水が想定される地域の対象施設は全国で7万7906施設あり、計画を作っているのは3万5043施設(44・9%)だった。

 

 7月の豪雨災害で特別養護老人ホーム「千寿園」の入所者14人が死亡するなど多くの犠牲者が出た熊本県の作成率は5・4%で、全国で一番低かった。最も高かったのは岩手県の81・8%だった。

 

 市町村単位では宇都宮市や東京都江東区のように対象の全施設が作っているところもあれば、1施設も作っていないところも複数ある。

 

 対象施設が1706施設と関東地方で最も多い川崎市は多摩川をはじめ多くの河川が流れる地域だが、計画の作成率は32%。19年10月の台風19号では市内の浸水被害が大きく死者も出した。

 

 同市は「対象施設には計画を作るよう連絡しているが、昨年の台風19号以降もあまり進んでいない。危機感を持ってもらえるようさらに働き掛けたい」(総務企画局危機管理室)としている。

 

 同計画の義務付けは、16年の台風10号による豪雨災害で、岩手県岩泉町の高齢者グループホームの入居者9人が亡くなったことを踏まえ、水防法などを改正して規定された。

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