社会福祉法人の合併、事業譲渡、法人間連携 厚労省がガイドライン

2020年0811 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は、社会福祉法人が合併、事業譲渡・譲受、法人間連携を行う際のガイドライン案と、実務者向けマニュアルを策定した。人材不足や多様な福祉ニーズに対応するため、法人が事業の協働化や大規模化に取り組みやすくするよう、従来の手引きの内容を改編した。ガイドライン案は8月20日までパブリックコメントを募集し、8月中に公布する予定。

 

 法人をめぐっては、生産年齢人口の減少による人材難が懸念され、過疎地など福祉サービスの基盤が脆弱な地域があり、引きこもりや8050問題など複雑化、多様化するニーズへの対応も課題となっている。2016年には法人改革もあった。

 

 これらに対応する安定的な経営基盤を構築できるよう、6月5日に成立した改正社会福祉法では、参加する法人間で資金を貸し借りできる「社会福祉連携推進法人」が創設された。施行は公布日から2年以内で、現在、厚労省で細部を検討している。

 

 また、厚労省は並行して、合併、事業譲渡などのガイドラインについて検討を進め、今回、従来の手引きの内容を分かりやすく充実させたものを示した。ガイドラインとは別に、実務者向けマニュアルも策定した。

 

 ガイドライン案では、合併、事業譲渡などは法人の公益性、非営利性を十分に発揮し、経営基盤を強化しつつ適切な福祉サービスが提供できる観点を重視するよう強調。あくまで希望する法人が自主的に行うとしている。

 

 期待される効果としては、地域の生活課題に対する総合相談支援体制の強化、新たなサービスの創出、外国人を含む人材確保の促進、研修の共同実施、災害時の備えなどを挙げた。また、他の経営主体が担えないことや制度外のニーズに応えることへの期待も記した。

 

 個別にみると、合併は、複数の法人が吸収または新設で合併することにより、事業の安定性やサービスの質の向上、人材育成などにつながる。事業譲渡・譲受は、存続が難しい事業を続けることが可能になり、譲受側は新設するより迅速に事業を拡充することができる。法人間連携は、比較的に容易に取り組めて実行にも移しやすいとした。

 

実務者マニュアルも

 法人の役職員や所轄庁の担当者など、実務に関わる人向けに策定したのがマニュアル(計179ページ)で、従来の手引きと異なり、吸収合併と新設合併を分けて整理した。

 

 合併、事業譲渡・譲受を検討する際のポイントは、まず目的を明確にすること。法人理念に沿うか、地域福祉の発展に寄与するかなどをチェックする。次に相手法人を調査する。可能な限り協議を始める前に終えておき、財務状態や収益性の分析は不可欠だとする。一定の根拠のある事業計画を策定する必要性も指摘している。

 

 合併は吸収合併と新設合併に分けて、合意形成、役員の検討、所轄庁の認可、会計・税務処理、職員の処遇などついて紹介。事業譲渡・譲受は、支払い対価の留意点、国庫補助金の扱いのほか、契約、資産・負債の移管、人事労務などについて解説している。

 

 

社会福祉法人の事業展開に係るガイドライン(案)〈厚生労働省〉

合併・事業譲渡等マニュアル〈厚生労働省〉

 

 

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