虐待予防体制を強化へ 児童福祉法改正案の概要判明

2022年0131 福祉新聞編集部
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 厚生労働省が今国会に提出する児童福祉法等改正案の概要が1月20日までに分かった。児童虐待の予防体制強化に向け、子育て世帯に対する包括的な支援体制の強化などが柱。里親を支援するフォスタリング機関も法律に位置付け、設置基準もつくる。施行は一部を除いて2024年4月1日としている。

 

 全国の児童相談所が対応した虐待相談対応件数は毎年増加を続けており、20年度は全国で20万5029件に上り、過去最高を更新した。このため、厚労省は子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化しているとして、児童虐待が起こる前段階から予防する体制を強化する考えだ。

 

 具体的には、市町村に対しては、母子保健分野の子育て世代包括支援センターと、児童福祉分野の子ども家庭総合支援拠点の一体化を努力義務とする。支援の必要性が高い場合は、個別に支援計画も作る。

 

 また、児相による支援の質も上げる。

 

 例えば、里親の開拓から研修まで行う「フォスタリング機関」については、児童福祉法が定める児童福祉施設として位置付ける。第二種社会福祉事業とし、人員や設備などを定めた最低基準も設定。これまで補助事業だったが義務的経費となるとみられ、安定した運営ができるようにする。

 

 さらに、児童養護施設出身者の自立支援を強化する方針だ。

 

 これまで退所した子どもを対象に、22歳まで居住費や生活費を支給していたが、年齢制限を撤廃。措置解除後も通所や訪問などで自立するまで支える体制をつくる。

 

 このほか、都道府県が子どもの意見を聞くなど権利擁護に向けた環境整備を行うことや、一時保護開始時の判断で司法審査を導入する。また、子ども家庭福祉ソーシャルワーカー(仮称)を新たに児童福祉司の任用要件に追加することや、子どもにわいせつ行為をした保育士の資格管理を厳格化することも盛り込んだ。

 

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