農福起点に広がる連携 障害者就労継続支援B型事業所が事務次官の勉強会で発表

2022年0210 福祉新聞編集部
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農福連携をテーマに開かれた事務次官勉強会=さんさん山城提供

 京都府京田辺市の障害者就労継続支援B型事業所「さんさん山城」(社会福祉法人京都聴覚言語障害者福祉協会)は1月25日、省庁の事務次官による私的勉強会で農福連携やSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを発表した。

 

 2011年に開設した「さんさん山城」は、宇治抹茶、えびいもといった京都の伝統野菜など約30種類を栽培し、それらを使った大福、コロッケなどの製造、販売もしている。野菜は約40カ所の飲食店に提供している。地域特産にこだわった6次産業化の取り組みは農林水産省の規格「ノウフクJAS」の第1号認証を受けた。

 

 17年にはコミュニティーカフェをオープンし、伝統野菜も使ったランチは評判で地域住民の憩いの場になっている。さらに児童養護施設の子どもと野菜の収穫体験や、食育講座を通じた交流のほか、特別支援学校の生徒や大学生の受け入れ、更生保護サポートセンターとの連携など、農福を起点にさまざまな分野とつながり、こうした活動はSDGsの取り組みとリンクしている。

 

 政府の農福連携等推進会議の委員も務めた新免修施設長は「地域に根差し、つながりを大切にしている。障害者は支援を受けるだけでなく、地域に出て活躍していることを知ってほしい」と説明した。

 

 昨年7月から「さんさん山城」で働いている盲ろう者の中田鈴子さんは当初こそ心配があったが、周りに気づきを与え、職場の雰囲気を明るくする存在として活躍する。仕事以外でもトライアスロン選手として多くの大会で完走していることを紹介した。

 

 この日は4人の事務次官が参加。「いろいろな広がりが期待できる」「改めて勉強する機会がほしい」といった感想があったという。

 

 勉強会は社会福祉法人プロップ・ステーションの竹中ナミ理事長と村木厚子さん(当時厚生労働事務次官)の発案で約15年前に始まり、毎月「ユニバーサル社会の創造」をテーマに意見交換などを行っている。

 

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