口呼吸もオナラの原因

2022年0211 福祉新聞編集部
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 「Who cut the cheese?」直訳すると、「誰がチーズを切った?」になりますが、実は「誰がオナラをした?」と言う意味です。今日はオナラについてのお話です。日本語の「オナラ」は動詞の「鳴らす」から来た言葉で、高貴な人に仕える女性たちが「屁」という露骨な表現を避けるために使われた品の良い言葉だったそうです。そして、それが民衆にも広がっていったそうです。

 

 外来で、「オナラが多い」「げっぷが多い」「おなかが張っている」と、おなかにたまったガスに関する相談をよく受けます。では、おなかにたまるガスはどこから来るのでしょうか? おなか(腸の中)のガスは、窒素ガス、酸素、二酸化炭素、水素、メタンなどです。そして、これらのガスの発生には主に二つの原因があります。

 

 一つ目の原因は、腸の中で食べたものから作られます。主には食物の一部が、主に大腸で腸内細菌により発酵もしくは腐敗をすることによって作られます。したがって、オナラの臭いは食べたものの影響を受けます。

 

 また、便秘の子供たちは大腸内に長時間、うんちがたまっているため、発酵、腐敗が進み、オナラの量は増えて、臭くなります。このような場合は便秘を治療することで、オナラは減って、臭いもそれほどきつくなくなります。また、腸内細菌叢を整える目的で整腸剤を処方することもあります。

 

 私は海外旅行で長時間飛行機に乗っていると、おなかが張って苦しくなることがありました。特に帰りの飛行機ではひどいものでした。おそらく、海外で普段と違う食事をすることで腸内細菌叢が変化し、発酵したガスが上空で気圧が低くなると膨らんでくるのではないかと思います。海外旅行に行く数日前から整腸剤を飲み始めて、日本に帰ってくるまで整腸剤を飲んで腸内細菌を整えるようにしたら、飛行機の中でのおなかの張りはなくなりました。

 

 もう一つの原因は、口から飲み込んだ空気です。赤ちゃんでは、哺乳瓶の乳首の形や大きさが合わないと空気をたくさん飲みこんでしまうことがあります。哺乳後に上手にげっぷができないと、おなかが張ったり、オナラが多く出たりします。

 

 乳児期を過ぎると、鼻閉による口呼吸が空気を飲み込む原因になり得ます。とくにスギ花粉の時期には、アレルギー性鼻炎(花粉症)の子供たちは口呼吸となるため、空気を飲み込むようになります。そのような場合には、耳鼻咽喉科へ受診して、鼻処置をしてもらうことを勧めています。

 

 また、特に発達に課題を抱えているお子さんでは、空気を飲み込む癖がある子がいます。いわゆる、呑気症です。最近では、マスク着用による口呼吸でおなかが張る子も散見されます。

 

(そごう・つよし 済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長)

 

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