人員基準緩和も視野に介護現場のテクノロジー検証

2022年0214 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は来年度、介護現場におけるロボットや見守りセンサーなどのテクノロジー導入状況などを把握する実態調査と、テクノロジー活用による業務効率化やケアへの影響などについて具体的なデータを集める実証事業を行う。結果は2024年度介護報酬改定を議論する際の資料となり、人員配置基準の緩和も視野に入れる。

 

 慢性的な介護人材不足の中、限られた職員で質を落とさずサービスを提供できるよう、テクノロジーを活用することで業務の効率化や改善を図る手法を探る。人員配置基準の緩和はケアの質の低下につながると懸念する声も大きく、厚労省は各種データを集めて分析、検証する方針。

 

 実態調査は21年度介護報酬改定の効果を検証するための調査の一つとして行われ、2月7日の社会保障審議会介護給付費分科会で概要案が示された。

 

 全サービス(福祉用具貸与など除く)を対象に、テクノロジー導入状況や効果などを聞く調査と、テクノロジーに関連した加算や人員配置基準緩和の届け出をした事業所を対象に、届け出前後の体制や安全確保などを聞く調査を行う。8月に実施し、来年3月に結果を報告する予定。いずれもアンケートやヒアリングにより、幅広く介護現場の状況を把握する。

 

 一方、実証事業はテクノロジー活用でどれくらい業務を効率化できるか、ケアの質に影響がないか、職員の負担はどの程度かなどについて具体的なデータを収集する。人員配置基準を緩和したケースも想定して検証する。6月にも実証を始め、来年3月ごろ結果をまとめる。

 

 人員配置基準見直しをめぐっては、昨年末、内閣府の規制改革推進会議の部会でテクノロジー活用により有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)の人員配置基準を現行の3対1から4対1に緩和する提案があった。

 

 7日の分科会では委員から「前にも経済財政諮問会議が先に検討したことがあった。この分科会とどっちを優先するのか」「テクノロジー活用と人員配置基準緩和がセットになっているようだが、その前にケアの本質を見据えた検証を行うべき」との発言があった。

 

 厚労省の須藤明彦・高齢者支援課長は「現時点で厚労省が具体的な方向性を決めた事実はない。ケアの質、利用者や職員の視点を踏まえた検証をしっかりと進めていく」と答えた。

 

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