高齢、障害、児童の相談を24時間365日受け付けに〈板橋区〉

2022年0301 福祉新聞編集部

 東京都板橋区は、高齢者と障害者からの24時間・365日対応相談体制を4月から整備する。同区は、2021年度に子どもと児童虐待を対象にした相談窓口を開設済みで、3部門の相談を24時間365日体制にするのは、全国でも珍しい。今後は相互連携の強化も図りながら、福祉全般の重層的支援につなげていく考えだ。

 

 設ける窓口は2カ所。まず、日中に相談時間が取れない家族や、閉庁時以降に急な相談が必要になった高齢者本人に対応するのが「おとしよりなんでも相談」。

 

 地域包括支援センターが月曜日から土曜日の日中に受け付けている業務に加え、それ以外の時間帯を外部のコールセンターに委託して実施する。

 

 区の担当者によると、年間10万件程度の相談があり、介護保険サービスの利用に関する問い合わせや福祉用具の貸し出しなど、内容は多岐にわたるという。

 

 二つ目が高齢者と障害者の虐待相談。これまで虐待専用電話窓口を設けていた業務を拡充し、外部のコールセンターに委託することで24時間・365日体制にする。

 

 どちらの窓口も、当人の家族や訪問介護に訪れた第三者から受け付けるケースが多い。日中にまとまった時間が取れない人でも気軽に相談できるようになることが期待される。

 

 同区では、子どもを対象にした相談窓口を今年度から設置しており、相談内容からヤングケアラーなど新たな問題が浮き彫りになるケースも想定。部署の垣根を超えて連携を図ることで、さまざまな福祉問題に対応していく方針。22年度予算に関連予算として合計814万円を計上した。