「私たちの姿を見て」障害者GHの映画上映広がる

2022年0309 福祉新聞編集部
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当事者交流会に参加するマリさん(右)。三橋理事長との会話が弾む

 精神障害者が暮らすグループホーム(GH)の開設反対運動をテーマとした記録映画『不安の正体』の上映会が首都圏で広がっている。映画制作に協力した社会福祉法人SKYかわさき(川崎市)の三橋良子理事長は「言葉で説明してもGHに反対する人にはなかなか伝わらない。GHで暮らす人の姿を見てもらうことが最も大切だ」と話す。

 

 映画制作は、川崎市内の同法人のGH移転が2014年に反対されたことがきっかけ。近隣住民への説明会では精神障害者を不安視する声が相次ぎ、移転予定地には「大量入居絶対反対」の旗がズラリと並んだ。

 

 法人は弁護団の力も借りて同年中に移転を果たしたものの、同様の反対運動は5年後、横浜市内の別法人のGHでも発生した。

 

 「このままではいけない」――。映画化の打診を受けた三橋理事長の話を聞き、法人のGHで暮らしていた統合失調症のマリさん(60代)はそう考えて出演を決意した。

 

 21年7月に完成した作品(65分)を観て号泣した。「私がGHの世話人さんと一緒に水餃子を作る場面が紹介された。病気をしても役に立てることが理解してもらえる。それがうれしい」。

 

 映画はGHでの暮らしや入居者の語り、反対住民の声などを収め、「何が不安の原因か、本当に怖いのは何だろうか?」と問う。

 

 その問い掛けに共感の輪が広がり、2月12日には東京都内での初の上映会を地元の当事者会が開催。撮影した飯田基晴監督らが上映後に対談した。その模様はユーチューブで公開されている。

 

 上映会は、横浜市内の反対住民との対話を模索する立場で映画に登場した神奈川精神医療人権センター(藤井哲也代表)の呼び掛けで、今春、横浜市内各所で続く予定だ。

 

 映画のDVD購入、上映会の開催条件などは映像グループ「ローポジション」(横浜市)の公式サイトを参照。

 

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