トイレトレーニング強要はNG

2022年0318 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加

 幼稚園入園前の子を持つご両親の関心事の一つにトイレトレーニングがあります。「4月から幼稚園なのですが、おむつが外れていないと受け入れてもらえないんです」という相談は毎年のようにあります。本当におむつだと入園させてもらえないのかどうかは分かりませんが、親御さんはそのように受け取って不安を抱え、その影響は子供にも及んでいるという事実を、まずは幼稚園側には認識してもらいたいと思います。

 

 特に便秘症の子供は、一般的にトイレトレーニングが遅れます。排尿はトイレでできるのに、便意を感じるとおむつにはき替えて、お気に入りの場所でつま先立ちになったり、足をクロスしたりするなどお尻の穴を閉じるような姿勢で排便をするということがよくあります。本人が一番安心して、楽に排便ができると信じている状態ですので、これを無理に矯正しようとすると排便を我慢するようになり、便秘症の治療の大きな妨げになります。

 

 親御さんも4月入園というタイムリミットがあるので、子供に強い言葉で叱ったり、他の子と比べてトイレトレーニングが遅れている我が子を見てイライラしたりします。そして、そんな行動をとってしまったことで親御さんは自己嫌悪に陥ります。当然、それは子供にも良い影響を与えません。

 

 早生まれで3月生まれの子と4、5月に生まれた子を比べると発達に差があるのは当たり前です。同じ月に生まれた子であっても発達に差があるのは当然です。おむつをしている子供に対して、トイレトレーニングと称して下半身すっぽんぽんで過ごさせる保育所があるという話を聞いたことがあります。その方法でおむつが外れる子がいたから、そのようなやり方をしているのでしょうが、それでうまくいかない子供は心に傷を残すことになります。

 

 とは言え、なかなか進まないトイレトレーニングに親御さんたちが困っているのも事実です。私の外来ではいろいろなアイデアを提案していますのでご紹介します。

 

 (1)子供がトイレに行くのが楽しくなるようにトイレをデコレーションする(2)トイレにたどり着くように色紙で作った足跡を床に貼り付ける(3)親御さんと向かい合うように抱っこした状態で両足を開くような形で座って排便してみる(4)便意がなくても時間を決めてトイレに行って便座に座る(5)排便する場所をトイレに変える(6)おむつをしたまま便座に座って排便する(7)排便するときにスマホやタブレットを見せる――など。

 

 全部やってみるというわけではなく、しばらくやってみてうまくいかなければ、別の方法を考えるというような気楽な気持ちの方が親子ともども、気持ちが楽になれると思います。

 

(そごう・つよし 済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長)

 

福祉新聞の購読はこちら

    • このエントリーをはてなブックマークに追加