春先の熱中症に注意

2022年0325 福祉新聞編集部
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 春になり暖かく、過ごしやすい日も増えてきましたね。4、5月にも熱中症は起こるということをご存じですか?

 

 人間は約2週間かけて暑さに慣れてきます。だから、まだ暑さに慣れていない時期に急に気温が上がった日には熱中症に注意が必要なのです。天気が良いので子供たちが大はしゃぎで、水分を取らずに公園を走り回って遊ぶ。親御さんもまだ春だからと油断して水筒などを用意していない。

 

 そんな状況で1~2時間も遊んでいれば、熱中症を起こすには十分です。遊びに行く前、遊んでいるとき、思いっきり遊んだ後の3点で必ず水分と塩分を取るようにしましょう。体が暑さに慣れていないと、汗からナトリウムがたくさん排せつされてしまいますので、経口補水液などを利用して水分と同時に塩分補給を意識しましょう。

 

 そして、思わぬ落とし穴があります。外でたくさん遊んだ子供が車の中で寝てしまう。「ちょっと買い物に行きたいけど、起こすのはかわいそう……。10分くらいならいいか」と考えて、子供を車に置いたまま買い物に出かける。

 

 実は2005年にPediatricsというアメリカ小児科学会が発行する医学雑誌にこんな論文が掲載されました。外気温25℃のとき、自動車内の温度は10分で38℃、30分で43℃まで上昇するというのです。この車内温度の上昇は、明るい色の車よりも黒や紺などの色の車の方が早く上昇することも分かりました。「少しだけ窓を開けておけば大丈夫だろう」とそんな事を考えるかもしれませんが、窓を閉めた状態よりは若干気温上昇の速度は遅くなりますが、55分すると同じ温度になってしまいます。

 

 「エアコンをつけて鍵を閉めておけば大丈夫」という考えも危険です。車のエンジンが何かの拍子で止まってしまうと社内の気温は一気に上昇してしまいます。たくさん遊んで汗をかいて脱水気味の子であれば、38℃で10分もすれば熱中症を起こしてもおかしくありません。

 

 海外では子供を一人で放置しているだけで虐待として親が逮捕されてしまう国もありますが、日本では毎年のように車内に置き去りにされた子供達が熱中症で亡くなるというニュースが報道されています。先ほど、紹介した論文が医学雑誌に投稿されるのは、アメリカでは鍵を開けたままの車に子供が乗ってしまい、チャイルドロックなどで外に出ることができなくなり、車内に閉じ込められる事故があるからです。

 

 どのような状況であれ、子供を車内に放置するのはとても危険ですので、絶対にやめましょう。

 

(そごう・つよし 済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長)

 

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