更生保護にも農福連携 居場所つくり社会復帰につなげる

2022年0616 福祉新聞編集部
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多くの人が協会のブースに立ち寄った

 日本農福連携協会(皆川芳嗣会長理事)は6月4、5日、都内で開かれた「第62回全国矯正展」(全国刑務所作業製品展示即売会)に出展した。障害者だけでなく、刑務所出所者らが農業に取り組み、立ち直りを支援していく「農福連携」の取り組みを、更生保護の分野に広めていくのが目的だ。

 

 法務省によると、再犯者の7割は仕事がなく、2割は住居がない。知的障害のある人も一定数いる。そうした中、農業を通じて居場所ができることで再犯を防ぎ、社会復帰につなげることを目指す。政府の「農福連携等推進ビジョン」(2019年6月)にも、罪を犯した人への支援として農福連携の環境整備を進めるよう明記されている。

 

 出展は3回目。両日は協会会員4法人の障害者らが作った約20商品を販売。栄養価の高い紫米、無農薬の玉ねぎ、有機の薬膳緑茶・ほうじ茶を買い求める人が目立った。

 

 刑務所出所者を受け入れている社会福祉法人白鳩会(鹿児島県)の有村健一郎さんは「農業には多くの作業があり、その人に合った作業を見つけることができ、居場所づくりにもなる」と話す。

 

 ただ、現状では刑務所出所者らを受け入れている法人は少ない。法人単独で新たに受け入れに踏み込むのが難しいことが課題で、同協会の渡部淳総務部長は「農福連携事業所が中心となって地域全体で受け入れの仕組みを作ろうと法務省と協議している」と言う。また、矯正施設の食材などに農福連携で作られた野菜などを使ってもらう動きも始まっている。 

 

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