未就園児のいる家庭ほど孤独 過半数が保育所の利用を希望

2022年0630 福祉新聞編集部

 認定NPO法人フローレンス(本部・東京都千代田区)は6月15日、未就園児がいる家庭の保育ニーズに関するアンケートの結果を発表した。未就園児の保護者は子育てで孤独を感じやすく、過半数が保育所の利用を希望していたことが明らかになった。

 

 調査は日本総合研究所と共同で実施した。3月3~7日まで、第一子が保育所や幼稚園を利用していない保護者1200人、第一子が保育所や幼稚園を利用している保護者800人の計2000人を対象にインターネットで実施した。

 

 調査結果によると、未就園児のいる家庭の方が、保育所を利用している家庭よりも「子育ての中で孤独を感じる」と回答した割合が高く、低年齢の未就園児がいる保護者ほどその傾向が高かった。

 

 未就園児家庭で一時預かりを利用したことがある家庭は1割強にとどまっていた反面、過半数が保育所の利用を希望していたことも明らかになった。

 

 このほか、国のデータをもとに未就園児の人数や、保育所などでの空き定員数も算出した。未就園児は本年度時点で145万人おり、保育所などで46万人の空きが生じていると推計し、少子化の進展に伴い空き定員数は今後も増加することが見込まれるとした。

 

 地域や年齢を考慮しなければ、この空き定員を活用して、未就園児全員を週1日受け入れられることが可能だと結論付けている。

 

 この日、厚生労働省で会見したフローレンスの駒崎弘樹代表理事は調査結果を踏まえ、保護者が働いているなどで「保育の必要性」が認められなければ利用できない既存の保育制度の見直しを国に提言していく意向を示した。

 

 具体的には、待機児童が解消している地域から、空き定員枠を活用して専業主婦家庭などでも希望すれば、週1~2日からでも保育所を利用できるようにすべきだとした。

 

 政府が7日に閣議決定した骨太の方針には「未就園児の実態把握と保育所の空き定員の活用による支援の推進」が盛り込まれている。

 

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