施設出身者が後輩にエール 「ぴあフェス」開催

2022年1018 福祉新聞編集部
ブースごとに施設出身の学生が担当した

 児童養護施設、里親、自立援助ホームなどで暮らす中高生を対象にした「ぴあ応援フェス」が10月8、9日にオンラインで開かれ、200人が参加した。朝日新聞厚生文化事業団などの主催。仕事がテーマのブースも設けられ、さまざまなプロが夢や目標を持つ大切さなどを語った。

 

 施設出身で元茨城県高萩市長の草間吉夫さんは大学卒業後に児童養護施設に勤務した際、社会的養護の環境などに疑問を感じ、政治家になろうと決意したと説明。その後、39歳から8年間市長を経験した。

 

 現在は大学教員や社会福祉法人の理事をしながら、厚生労働省の審議会委員なども務めている。草間さんは「目標があれば日々の生活が前向きになれる。人と比較せず、自分のペースで考えてほしい」とエールを送った。

 

 また、アパレル会社の副店長を務める、なのさんは仕事のつらさも正直に打ち明けながら「お客様に提案したコーディネートを気に入ってもらえた時などやりがいや達成感は大きい」などと語った。

 

 このほか、保育士や教員、芸人、プロスポーツ選手、デジタルクリエーターら12人が登壇した。

 

 ぴあフェスでは大学生と自由に話せるブースも設けられた。中高生からは「1人暮らしで気をつけることは」「冠婚葬祭はどうするか」「SNSで知り合った人と付き合うのはありか」などの質問が出ていた。

 

 ぴあフェスは同事業団の奨学生有志10人による実行チームが中心になって企画。リーダーで大学3年のしょうりさんは「自分たちが中高生の時に知りたかった情報を知ってもらうことと、同じ仲間との触れ合いが狙い。社会的養護出身だからといって夢を諦めないでほしい」と話した。

 

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