「質的な評価も必要」認知症大綱、中間年の進展確認

2022年1107 福祉新聞編集部

 2019年6月に策定された「認知症施策推進大綱」(25年までの6カ年計画)について、策定3年後の進展状況を確認する有識者会議が10月31日、開かれた。事務局から大綱のKPI(重要業績評価指標)として設定されている92項目のうち、3割は25年までの目標を既に達成していることなどが示された。委員は数値目標達成に一定の評価をしつつ、今後は質的な評価も進めるべきだとした。

 

 92項目には認知症サポーター養成数、認知症カフェ件数、認知症予防の取り組み事例集の作成など厚生労働省所管の施策もあれば、文部科学省、国土交通省などが所管する取り組みもある。

 

 事務局が示した92項目についての仮評価では「目標を既に達成」が25、「3年目の達成状況が100%以上」が12、「同60~100%未満」が11、「同60%未満」が4=表参照。また「目標年度が過ぎているが目標値に達していない」が12、「定性的なKPIで継続的に対応している」が28だった。

 

 会議に参考人として参加した日本認知症本人ワーキンググループは、都道府県のキャラバンメイト(認知症本人)大使の任命が低調なことに対し、「本人発信を進めていくための重要な存在。取り組みに力を入れるよう国として推進してほしい」と注文。認知症の人と家族の会は「施策が認知症の人や家族などにどのように役立っているか評価してほしい」と求めた。

 

 同日の会議の内容を整理した上で、年内に「認知症施策推進関係閣僚会議」(議長=内閣官房長官)に報告される。取り組みが低調な項目にはその理由と対応策を示し、KPIを達成した項目は新目標の設定を検討する。

 

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