新資格「こども家庭ソーシャルワーカー」 厚労省WGが取りまとめ案

2023年0220 福祉新聞編集部

 厚生労働省は2月8日、子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会ワーキンググループ(委員長=山縣文治・関西大教授)を開き、新しいこども分野の資格に関する取りまとめ案を示した。名称は「こども家庭ソーシャルワーカー」。試験は選択式で行う。

 

 2022年に成立した改正児童福祉法は、実務経験者を対象とする認定資格の導入を規定した。具体的には(1)相談援助の実務経験が2年以上ある社会福祉士、精神保健福祉士を対象にした「有資格者ルート」(2)4年以上こども家庭福祉分野で相談援助をした「実務経験者ルート」(3)実務経験が4年以上ある保育士ルート――があり、それぞれ研修と試験を課す方針を示した。

 

 ただ、資格の名称や、研修カリキュラムなどについては決まっておらず、同WGが22年8月から非公開で議論していた。

 

 取りまとめ案によると、新資格の名称は「こども家庭ソーシャルワーカー」。議論の過程では厚労省がこども家庭福祉ソーシャルワーカーやこども家庭福祉士、こども家庭福祉相談支援専門員といった案を出したという。しかし、「国際的にも通用する名称がよい」「専門員は家庭支援専門相談員など既存の資格との混同が生じる」などの指摘があり、最終案に落ち着いた。

 

 相談援助の実務経験の範囲については、児童養護施設や乳児院、母子生活支援施設、障害児入所施設、児童相談所、こども家庭総合支援拠点など複数を示した。ただ、特別養護老人ホームや障害者支援施設、救護施設などでも、こどもや家庭を支援した証明があれば認める方針だ。

 

 保育士ルートの実務経験については、要支援のこどもに対応する「地域連携推進員」であることや、保育所長、主任保育士、副主任保育士であることなどを定めている。

 

 認定機関が実施する試験については、毎年1回以上行う。選択肢式の出題形式で、実技試験は行わない。

 

 また3ルート共通の「指定研修」は100・5時間とし、内訳は講義が33時間、演習が67・5時間とする。講義はネットでの受講もできるようにする。

 

 このほか、取りまとめ案では新資格に求められる専門性についても定めている。

 

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