ケアプラン有料化で「早期発見・対応遅れる」 ケアマネ協会改めて反対姿勢

2023年0508 福祉新聞編集部

 ケアプランの有料化について居宅介護支援事業所、市町村、地域包括支援センターの三者とも反対が多数であることが、日本介護支援専門員協会(柴口里則会長)の調査で分かった。有料化により居宅介護支援にフリーにアクセスできなくなり、早期発見・対応が遅れることなどを懸念する声が上がった。

 

 調査は昨年4月に居宅介護支援事業所で働く協会員2000人(回答率74%)、市町村500件(52%)、包括センター500件(71%)を対象に行われた。

 

 有料化の賛否を聞くと、居宅介護支援事業所の76%、包括センターの69%が反対。市町村は分からないとの回答が最多(47%)だが、反対も34%あった。

 

 反対理由は「ケアマネジメントの利用が抑制されることで早期発見・対応が困難になる」「利用者や家族から不要なサービス利用などの要求がエスカレートする」「介護支援専門員の本来業務以外への要求が強まる」が多かった。さらに反対理由で最も重要なことを聞くと、三者とも「ケアマネジメントの利用が抑制されることで早期発見・対応が困難になる」が最多だった。

 

 協会は調査結果を受けて4月19日に会見し、「現場の危惧が改善されていかない限りはケアプラン有料化に賛成することは難しい」とし、改めて有料化に反対の姿勢を示した。今後について「反対している団体もある。ネットワークを張りながら地道に説明し、連携して進めていきたい」とした。

 

 ケアプランの有料化をめぐっては、財務省の財政制度等審議会などが再三導入するよう求め、昨年12月に厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会がまとめた意見書では、2027年度からの第10期介護保険事業計画の開始までに結論を出すとしている。

 

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