特養の参入規制に賛否両論 規制改革会議や厚労省検討会で

2014年0310 福祉新聞編集部
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厚労省イメージ

特養の参入規制廃止を 規制改革会議で論点に

 

 政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は2月28日、特別養護老人ホームの参入規制を廃止することを検討の論点に挙げた。社会福祉法人以外の参入を促すことで、利用者の利便性が高まると見ている。

 

 同会議は今年6月にも介護・保育分野について、社会福祉法人と営利企業とのイコールフッティング(競争条件の同一化)に関する提言をまとめる。

 

 介護保険サービスを提供する社会福祉法人が、収益の一部を低所得者向けの無料・低額サービスに充てることの義務化も検討する。取り組みが不十分な法人の業務を停止することも視野に入れる。

 

 現在、特養ホームの経営主体は原則として自治体か社会福祉法人に限られている。社会福祉法人への補助金や税制優遇措置も批判され、優遇に見合った社会貢献を法人に求める意見が強まっている。

 

 介護・保育のイコールフッティングをめぐり、同会議は2013年12月20日の会合で論点をまとめ、今年2月4日には厚生労働省がそれに対する見解を示していた。

 

株式会社の特養経営参入に反論 社福法人在り方検討会

 

 厚生労働省の第6回社会福祉法人の在り方等に関する検討会(座長=田中滋・慶応義塾大大学院教授)が2月20日、開かれた。

 

 今会合はイコールフッティングがテーマ。政府の規制改革会議は、介護や保育分野は営利法人と非営利法人が同種のサービスを提供する特殊な市場だと指摘。株式会社と異なり、社会福祉法人は補助金や非課税措置などで優遇されていることから、経営主体間で異なる財政上の措置を見直すべきではないかという意見もある。

 

 こうした考えに対して、宮田裕司・堺暁福祉会理事は「非営利で持ち分権のない社会福祉法人の資産に課税する考えがそもそもおかしい」と反論。浦野正男・中心会理事長も、特別養護老人ホームの経営に参入規制があるのは利用者の権利を守るためだとして、株式会社の参入は時期尚早だと訴えた。

 

 松原由美・明治安田生活福祉研究所主席研究員は、社会福祉法人の非課税措置を撤廃した場合、行政による制約がある社会福祉法人が逆に不公平になるとの考えを示した。

 

 田中座長は「正しい意見でも、世の中で勝てない」とくぎを刺し、非営利でも特養ホームを経営できない社会医療法人などとの協力も視野に入れるよう求めた。

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