漂流する介護福祉士の資格取得問題<前編> 人材確保か専門性か

2014年0414 福祉新聞編集部
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㈱やさしい手の初任者研修の模様

 介護福祉士の資格取得方法が2015(平成27)年度から変わる予定だったが、これを1年延期しようという法案が今年2月、国会に提出された。変更により資格取得のハードルが上がると、不足している介護人材がさらに不足すると心配する声があるためだ。しかし、これには反対意見もある。「人材確保」と「専門性」。どちらを優先すべきなのだろうか。

 

今じゃないでしょ

  介護福祉士の資格取得方法を15年度から一元化するのを1年延期する案が今年1月28日、突如、浮上した。全国老人福祉施設協議会の要請を受けた自民党が働き掛けた。「資格取得のハードルを上げると介護への入職意欲をそぐ」という懸念があるからだ。

 

 同協議会の石川憲会長は、「介護福祉士の質を上げることには賛成だが質と量はセットで議論されるべきだ。人材不足を招く要因の解消に向けて、介護職の魅力を伝えることと処遇改善が大切だ」と話す。

 

 介護事業者の間では「一元化は今やることじゃないでしょ」として延期に賛成する声が多い。

 

 一方、寝耳に水だった日本介護福祉士会は「驚いた。介護福祉士の社会的地位を上げて処遇改善につなげようと法改正したはずだ。延期すればますます人材は集まらなくなる」と憤る。

 

 厚生労働省の担当者は「与党の強い要請があった。青天のへきれきであり、苦渋の決断だった」と釈明する。

 

 延期案は医療・介護改革の一括法案に盛り込まれ、4月1日に審議が始まった。法案は、介護の労働力確保策を検討して所要の措置を講じることも求める。

 

 資格取得のハードルを上げ、人材不足を招くと懸念される「一元化」とは何か。それは小泉内閣の時に方向性が打ち出され、10年も漂流している。

 

 

➡次ページ 厚労省幹部の予言

 

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