漂流する介護福祉士の資格取得問題<後編> 人材確保か専門性か

2014年0414 福祉新聞編集部
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至誠特養ホームに勤める大村さん(左端)

 介護福祉士の資格取得方法が2015(平成27)年度から変わる予定だったが、これを1年延期しようという法案が今年2月、国会に提出された。変更により資格取得のハードルが上がると、不足している介護人材がさらに不足すると心配する声があるためだ。しかし、これには反対意見もある。「人材確保」と「専門性」。どちらを優先すべきなのだろうか。

 

➡ 前編はこちら

 

入職意欲そぐ要因

 

 そして2度目の延期に踏み切ろうかというのが今の状況だが、入職意欲をそぐ要因が、13年度からの初任者研修にあると見る向きは多い。

 

 全国で介護事業を展開する㈱ニチイ学館の、ある県の研修担当者はこうこぼす。

 

 「県内の教室の初任者研修受講者は、ヘルパー2級研修だった前年度と比べ8割も減った」。

 

 2級は介護の仕事に就く時の事実上の資格と認知されていたが、初任者研修はそう受け止められていない。「2級廃止」だけが浸透している。そんな見方が支配的だ。

 

 厚労省によると、12年度に2級研修を修了した人は全国で約20万人。一方、13年度からの初任者研修は「その半分もいかないだろう」(厚労省OB)と見られている。

 

 東京など都市部で介護事業を展開する㈱やさしい手の研修担当者は「初任者研修は子育てを終えた女性などが気軽に受ける研修ではない。切羽詰まって職を求める人、特に男性の受講が増えている」と見る。

 

 初任者研修は2級と同じ130時間の受講時間だ。ただし2級よりも通学日数が増え、受講料の相場(都内)はおおむね2倍増の10万円前後。修了時の試験も導入された。

 

 介護福祉士になるために実務者研修を課すことと、介護職への入り口に当たる初任者研修を重くすることを同時に進めたため、「入職意欲をそぐ要因」がどちらにあるか判然としない。

 

 そんな中で実務者研修の延期が望まれているのが現状だ。

 

➡次ページ 事業所と養成施設 それぞれの思惑

 

 

 

 

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