福祉人材確保へ検討会 厚労省、今秋にも指針改定

2014年0616 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
初会合では13人の全出席者が順に意見を述べた
初会合では13人の全出席者が順に意見を述べた

 厚生労働省は4日、福祉分野の人手不足対策を議論するため、関係団体や有識者による「福祉人材確保対策検討会」を立ち上げた。今秋をめどに結論を出し、福祉人材確保指針を改定する。介護人材についてはそれよりも前に方針を固め、2015年度の介護報酬改定や社会福祉法人改革に臨む。

 

介護の質向上も論点

 

 福祉人材確保指針は社会福祉事業従事者を確保するための国、自治体、事業者などの役割を明記したもの。1993年に告示、2007年に改定された。改定には社会保障審議会での審議が必要だ。

 

 検討の対象は福祉全般の人材だが、重点を置くのは介護人材だ。厚労省は25年には介護人材が今よりもプラス100万人必要になると見込むが、「介護の仕事に対するマイナスイメージがある」(岡田太造・社会・援護局長)としてイメージアップに乗り出す。

 

 また、都道府県に25年までの介護人材の需給推計を促し、都道府県が作る介護保険の計画に盛り込むよう要請する。介護サービス量の見込みと連動させて、人材確保に実効性を持たせる。

 

 介護人材の質の向上も重要な論点だ。

 国会で審議中の医療・介護総合推進法案には、介護福祉士の取得方法変更を1年延期する案が入った。法案成立後、延期した上で資格取得方法をどうするのかといった議論も必要になる。

 

 処遇改善については、与野党による法案が5月20日に衆議院を通過。15年4月の介護報酬改定で引き上げが見込まれるが、一方で、内部留保を処遇改善に充てることや経営の合理化など「社会福祉法人の体質改善」を求める声も根強い。

 

 検討会の庶務は社会・援護局が担い、会議には老健局、職業能力開発局、職業安定局の幹部が同席する。座長には、介護報酬改定、社会福祉法人改革の審議会・検討会でもそれぞれ座長を務める田中滋・慶応義塾大名誉教授が就いた。

 

 田中座長は、介護人材を地域単位で育てて確保する長期的な視点に立つこと、内閣府の「キャリア段位制度」(職業能力評価制度)を活用して専門性に対する社会の認識を高めることなどを提唱した。

 

 検討会委員は座長を含め14人。介護福祉士の職能団体、養成団体、介護の事業者団体、地方自治体、学識者が就き、同日は出席した13人が1人ずつ順に意見を述べた。次回の検討会は6月20日に開かれる。

 

 

「愛」なき国 介護の人材が逃げていく
NHKスペシャル取材班 佐々木 とく子
阪急コミュニケーションズ
売り上げランキング: 139,121

 

介護人材の定着促進に向けて: 職務満足度の影響を探る (関西学院大学研究叢書)
大和 三重
関西学院大学出版会
売り上げランキング: 609,209

 

介護福祉士国家試験受験ワークブック2015上
中央法規出版
売り上げランキング: 1,608
    • このエントリーをはてなブックマークに追加