【前編】問題の核心は? 社会福祉法人の存在意義

2014年0811 福祉新聞編集部
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(左から)雄谷良成氏、宮田裕司氏、浦野正男氏
(左から)雄谷良成氏、宮田裕司氏、浦野正男氏

 社会福祉法人という存在意義が今、問われています。規制改革会議などで、特に介護や保育の分野で社会福祉法人が税制優遇されていることが議題になります。

 

 しかし、社会福祉法人が経営する施設は、資金使途の制限など法律に基づく多くの規制がある中で事業を行っています。また、事業を廃止する場合の財産は国やほかの社会福祉法人に提供しなければなりません。

 

 だからこそ、税制優遇があり、国の補助金も受けられるわけです。営利企業の場合、事業の撤退も自由ですし、利益を株主に還元することも可能です。社会福祉法人に対する指摘には、多くの誤解があるのではないでしょうか。

 

 そうした中、厚生労働省の社会福祉法人の在り方等に関する検討会(座長=田中滋・慶應義塾大名誉教授)は7月、社会福祉法人に対して公益的な活動や運営の透明性などを求める報告書をまとめました。そこで、検討会委員の浦野正男・中心会理事長、宮田裕司・堺暁福祉会理事、雄谷良成・佛子園理事長をお招きし、今後の方向性について尋ねました。(聞き手は松寿庶・本社社長、オブザーバーは近藤社会保障法律事務所の近藤純五郎弁護士)

 

 

問われる意義

松寿庶・本社社長

松寿庶・本社社長

 

松寿 厚生労働省の社会福祉法人の在り方等に関する検討会が報告書をまとめました。委員としてどう受け止めていますか。

 

雄谷良成・佛子園理事長

雄谷良成・佛子園理事長

雄谷 報告書は論点を五つ打ち出したのですが、将来を展望する点と反省すべき点が混在しており、切り分けて考えるべきです。

 

 「公益的な活動の推進」と「規模拡大・協働化」は、今後、社会福祉法人へ期待されている点です。

 

 地域住民が参加するサロンや、成年後見人の受託、生活困窮者への支援など地域ニーズを解決する役割を求めています。地域で複数の法人が協力して事業に取り組むことも増えるでしょう。

 

 一方、「運営の透明性の確保」と「監督の見直し」は反省すべき点です。

 

 2000年の社会福祉基礎構造改革以降、社会福祉法人には財務諸表の公開が求められているのに、公表する割合が5割に過ぎないのは問題です。行政による画一的な指導や、過剰な活動の規制なども何とかする必要があります。

 

 「組織体制の強化」については、展望と反省が半々でしょうか。理事会や評議員会が役割を果たすことなどガバナンスの必要性などが求められています。

 

検討会報告書

 

 

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