【後編】問題の核心は? 社会福祉法人の存在意義

2014年0811 福祉新聞編集部
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集合

 厚生労働省の社会福祉法人の在り方等に関する検討会(座長=田中滋・慶應義塾大名誉教授)の委員である浦野正男・中心会理事長、宮田裕司・堺暁福祉会理事、雄谷良成・佛子園理事長を招き、今後の 方向性について話し合った座談会。後編です。(聞き手は松寿庶・本社社長、オブザーバーは近藤社会保障法律事務所の近藤純五郎弁護士)

 

 

➡ 前編はこちら

 

 

法人はどこに向かう

松寿庶・本社社長

松寿庶・本社社長

 

松寿 戦後日本の公的福祉の仕組みが脆弱である中、社会福祉法人 は法律に基づいて公に協力してきたわけです。それが成熟してくると外野からは社会福祉法人が我がもの顔で振る舞っているように見えるのでしょうか。厚生労働省が批判からかばおうとする姿勢も伝わってきませんね。

 

浦野正男・中心会理事長

浦野正男・中心会理事長

浦野 今の段階で「社会福祉法人は国のために私財を投げうってきたんだ」という議論にこだわるべきことではありません。

 

 在り方検討会では、社会福祉法人の公共的な存在であるという論拠をどこに求めるかという議論はありませんでした。憲法89条の公の支配に属するというロジックで公共的な存在だとしたためです。

 

 しかし、新しい公共の考え方では、社会福祉法人という存在がこれまで持っていた公共性を担保できなくなるでしょう。今後10年のスパンで見ると、市町村と対等な関係で協働することで公共的な存在とする議論になるのではないでしょうか。

 

 実際今回の報告書では、評議員会で住民の声が経営に反映される仕組みが必要だとされているのは、そうした芽だと感じます。

 

雄谷良成・佛子園理事長

雄谷良成・佛子園理事長

 

雄谷 もはや、施設を運営するだけで地域に貢献しているとは言えない時代になっているということです。法人を経営することが求められ、さらに地域を支援するということが求められています。

 

 経済が成長と一緒に社会保障にかける費用も右肩上がりという時代ではありません。人口の減少は、これまでサービスを受ける側だった高齢者や女性、障害者も主体として、社会に貢献することが求められるわけです。

 

 そこで、社会福祉法人が、NPO法人や株式会社などを巻き込みながら、新しい事業をつくる時代です。社会福祉法人には施設としての福祉機能だけでなく、福祉を一つのパーツとして、どう地域の中で1人の人を支えられるのかを考えていく必要があります。

 

 

宮田裕司・堺暁福祉会理事

宮田裕司・堺暁福祉会理事

宮田 国から受託するという関係で言うと、子ども・子育て支援新制度では、虐待などで優先的に利用を確保すべき子どもがいる場合、地方自治体が保育所に措置することになっています。

 

 その措置先は社会福祉法人だけでなく、株式会社が運営する保育園でも可能です。これが今後どういう事態になるのか、注視しなければなりません。

 

 

➡次ページ 「生き残るには変わらないといけない」

 

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