「見抜く機会3度失った」 千葉の施設内虐待で最終報告

2014年0825 福祉新聞編集部
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袖ケ浦福祉センター養育園
袖ケ浦福祉センター養育園

 

 知的障害児らが入所する千葉県立施設「袖ケ浦福祉センター養育園」で、職員から暴行を受けた少年が死亡した事件をめぐり、県の第三者検証委員会(座長=佐藤彰一・弁護士)が7日、最終報告をまとめた。県の責任を「過去に内部告発や匿名メールを受けていながら調査や情報共有が不足し、虐待を見抜く機会を失った」と指摘。今後のセンターの在り方として、施設の規模縮小や行動障害支援体制の構築なども提言した。

 

 袖ケ浦福祉センターは1966年に県が設置。指定管理者として千葉県社会福祉事業団が運営している。強度行動障害があるなど民間施設では支援が難しい最重度の人たちを多く受け入れてきた。

 

 少年の死亡事件は、センターの児童施設「養育園」で昨年11月に発生。県が立ち入り検査した結果、成人施設「更生園」でも暴言や暴行が確認され、過去10年間で計15人の職員が計23人の利用者を虐待したことが分かっている。

 

 検証委員会は、虐待が起きた背景を「行動障害を力で抑える安易な方法として暴行が繰り返された」「幹部が支援現場に足を運ばず、チェック体制は機能していなかった」などと指摘。中堅職員が多数辞め、相対的に経験の浅い職員が増えた時期に研修・教育に力を注いだ形跡がないことも問題視した。

 

 県の責任については、2002年に内部告発があったほか、11・12年度にも情報が寄せられていたことから、事業団に虐待体質があることを見抜く機会を少なくとも3度は失ったと指摘。厳しく監査や指導に臨まなかったことを批判し、今後は適宜抜き打ち検査をし、幹部だけでなく支援員からも聞き取りをするよう求めた。

 

 また今後のセンターの在り方については、定員規模(現行170人)を縮小し、きめ細かな支援に転換、閉鎖性を解消。強度行動障害の支援をセンターに一極集中させず、人材を育成し県内各地で支援できる体制の構築を提言した。

 

 17年度末までを集中期間とし、第三者がチェックしながら県が関与してセンターの管理運営を見直した後、養育園と更生園を分割して民間法人の参入を促すよう求めている。

 

 最終報告を受け森田健作知事は、内容を精査してできることから改善するよう庁内に指示した。

 

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